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短編集(~2019)
06
 

 保健室に運ばれて早10分。
 いまだに俺の体の熱が冷めない。
 むしろ上がってる。
 冷ましたい、出したい、それしか浮かばなくて嫌んなる。
 隣のベッドに座る晃はずっと俺を見てて、俺も涙目になりながら晃を見てる。
 ひとりならなんとか出来るのに、恥ずかしくてもう嫌だ。


 頭ん中がじんじんする。
 体もどこもかしこもじんじんする。
 布団に隠れた場所もじんじんする。


「…っあ、きら、」
「……なに、どうした」



 恥ずかしくて出したくて冷ましたくて。
 熱に塗れた俺を、優しく、けど熱っぽい目で見る晃に、手を、伸ばした。
















「いやー、懐かしいな!」
「俺はチョコレートを見る度思い出して羞恥で死ねる」



 学校の昼休み。
 バレンタインデーの今日は、いつもより生徒たちが騒がしくて。
 毎年の如く集まるチョコレートを見る目は、もはや喜びなんかじゃない。
 けど今年で卒業する。
 チョコレート地獄とはおさらばさ…!



 以前あったその事故。
 チョコレートに媚薬を入れたのが誰だったのかは結局分からなくて、あの保健室で、俺はあの時晃に助けを求めた。
 熱が冷めるまで、精巣がからっぽになったんじゃないかってくらいに、べとべとぐちゃぐちゃになって。
 あのあと、あまりの羞恥にしばらく晃と目を合わせられなかったのを覚えてる。

 ちなみに保健室は、晃が鍵をかけたせいでちょっとした騒ぎになったなんてのは後から聞いた話。



END
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恋愛感情を持って好きだった親友がバレンタインデーに媚薬に侵されて、色々我慢出来なくなった親友晃くん。
そのあとしばらく経って、晴れて恋人同士になりました。(どんどんぱふー)

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