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短編集(~2019)
03
 


 色んな、本っ当に色んな方法で貰ったチョコレート達を、学校の昼休みに親友の晃と机で向かい合って摘んでいた時にそれは起きた。


「うんまー。…あ、これクランチじゃん」
「まじ?つかお前、本当毎年すげー量貰うよな」
「人のこと言えんのか」
「あ?そうか?」
「………」


 30センチくらいの高さがありそうな紙袋からチョコレートの箱が見えてんぞ。

 晃は膝に紙袋を抱えて、次は何を食べようかと探ってる。
 俺もまあ、言えたもんじゃないけど。
 なぜか毎年の量がすごい。
 中学からの持ち上がりだが、毎年凄い。
 同じくらいの高さの紙袋を膝に、もう一袋は椅子の横にある。
 どっちも箱やら袋やらが飛び出すくらいに詰まってる。


 俺が次に食べようと取り出した、可愛くラッピングされた袋の中身はクランチチョコレートで。

 ストロベリーらしきピンク色と、ミルクチョコレートらしき黒っぽい茶色の二種類で。
 手が込んでるなあ、なんて思ったりした。


 色んな意味で手が込んでるなんて知らずに、俺はいくつか入ったチョコレートをひとつ口に放った。


 

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あきゅろす。
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