短編集(~2019)
05
「……で、あの不良達にかつあげされそうになったのを抵抗したらこうなった、と」
「ええ、まあ、そんな感じかな」
その同級生曰く、日課である夜の散歩をしていたら、絡まれてかつあげされそうになって抵抗したが、捕まって押さえ付けられて今に至る。
その不良共を俺がのしたから、結果的に取られた財布は綺麗な状態で手元に返ってきたわけだ。
「……俺、今日の占い普通だったんだけどなあ」
「僕は一位でしたよ」
「………」
とりあえず、財布は戻ったし。
僕に手当とご飯を要求されますよ。
にこりと笑って言ったそいつ。
ぎゅるるる、という腹の虫が、催促を思わせるようにタイミングよく、鳴いた。
「ち、しゃーねぇな」
「今日のラッキーカラー、僕の髪の毛の色なんですよね、」
「………るせ」
そうさ、そうとも。
俺の星座のラッキーカラーは、そいつの綺麗な髪の毛の色。
END
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因みに僕のラッキーメニューは、寿司です。
……、ぜってぇ嘘だろ、それ。
同級生をおんぶして歩きだした俺の口は、笑っていた。
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