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OP ロビン夢




穏やかな海風が吹く中、フランキーは船の展望台から小さな影を見つけた。よく見るとそれは小船で思わず二度見する。

「おい!向こうから小船が近づいて来るぞ!?」
「はあ?そんなわけないでしょ?此処は海王類がうじゃうじゃいるのよ?小さな船なんかって…あったーー!!」

ナミが身を乗り出して指を指すと全員集まって船を探す。
その姿を確認すると口を開けた。

「おいおい!正気じゃねぇな!危ねぇぞ!」
「ルフィ!どうすんだ?このまま放っとくわけにもいかねぇよな?」
「でも、厄介者だったらどうすんだ?責任とれんのか?クソコックにウソップ」

ゾロの冷静な意見にサンジとウソップは口を慎む。ルフィは少しだけ眉を寄せて、直ぐに笑った。

「乗せてやれよ!悪い奴だったらぶっ飛ばせば良いんだからよ!」
「さすがルフィさん!私も賛成ですよ!」
「おれ、怪我してた時ように手当ての準備しとくな!」
「あら?なんの騒ぎ?」

船室から出てきたロビンにナミは事情を説明をした。ロビンは少し驚いた表情をすると船首から海を見る。
確かに小さな船がゆらゆらと浮かんでいた。ロビンは思わず声を上げる。
「もしかして…ななし?」
小さな呟きは波とともに消えていった。
ルフィが小船に向かって手を振るとその人物も手を振りかえしサニー号に近づいて来る。
近くに来た船を中に入れると全員が集まった。中の人物がゆっくりと出てくると皆が息を飲んだ。

「わざわざありがとうございます。食料に困ってたところで…ああ、ロビン久しぶり」
「久しぶりね!ななし!」

ロビンはその人物に抱き着いた。サンジが思わず絶叫する中、ななしはロビンを抱き上げて優しく微笑んだ。

「大人になったね。それに綺麗になった」
「ふふっ!相変わらず上手ね?それより船長達に挨拶しなきゃ」
「ああ。そうだったね。申し遅れました。みょうじ・ななしと言います。この度はお世話になります」

ロビンを降ろしてルフィにお辞儀をしたななしにルフィは瞬きを繰り返した。

「お前、きっれーな顔してんなあ!俺はモンキー・D・ルフィ!よろしくな!」

ルフィが手を差し出し、ななしも握り返した。ルフィが言ったようにななしは端整な顔立ちをしていた。右眉から左の唇にかけて傷が走っていなければ完璧な容姿だった。


「ふふ、そんなストレートな口説き文句を言われたのは久しぶりですよ。それにまさか、あの麦わらの海賊団に出会えるとは私もついてます」
「にっしっしっ!オメー良い奴だなー!気に入った!」

白黒写真から出てきたようなななしの姿にナミは恐る恐るロビンに声をかけた。

「も、もしかして…あの9億ベリーの懸賞金がかけられてるみょうじ・ななし!?」
「ええ。そうよ」
「聞いたことしかねーよ!あの伝説の殺人鬼じゃねーか!」
「ウソップ!失礼なこと言わないの!」
「いや、その通りですよ。もう随分と昔の話ですが「そんなの関係ねぇ!!それよりてめぇロビンちゃんとどういう関係だ!!だ、だ、抱き合うなんてけしからーん!」

サンジの横槍にななしは目を開きながらポンッと手を打った。それから白い歯を見せてニコリと笑う。サンジは思わず身を引いた。

「ロビンとは長い付き合いで、彼女がオハラから逃げるのを手伝ったんです。まあ、なんというか私からしたら妹みたいなものですよ」
「あら?私は一度も姉だと思った事はないわよ。初恋の人をそんな身内の目で見れないわ」
「は、初恋の人…―!?」
「あ?でも、みょうじって女だろ?」
「なんだ女か―って女!?あああ!なんて無礼を働いてしまったんだぁああ」

頭を抱えるサンジにロビンはニコリと笑って続けた。

「性別なんて関係ないわ。私は今でもななしのこと好きよ」
「ロビンちゃん…そんなぁ」
「お前、女だったのか!手配書で見たら男みてぇだぞ!意外だな!」

ななしはふわふわとした白髪を撫で付けると小さく溜め息を吐いた。

「ロビン。その話は後で…そうだ。厚かましいお願いがあるのですが次の島まで乗せていってもらいたいんです。船が壊れてしまっていて」
「ああ!構わねぇよ!好きなだけいたらいいぞ!」
「船はフランキー様に任せとけ!完璧に直しといてやっから」
「助かります」

お礼を言うななしを暖かく迎えたルフィ達。ロビンはそんなななしの手を握りキッチンに案内した。

「へぇ。凄い船ですね。外観もさることながら中身も個性的で」
「だっろー?サウザンドサニー号って言うんだ!」
「素敵な名前ですね。この船は船大工さんが?」
「そうだ!おれが設計して他の奴と造ったんだぜ」

フランキーが胸を張って答えるとななしは柔らかく微笑んだ。

「素晴らしい腕ですね」
「そ、そうか?」

照れるフランキーにロビンはクスクス笑った。ななしは椅子に座ると視線だけで辺りを見渡す。




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