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「なんだか、昔の君を見ているようだな。」
「馬鹿言え。まだアイツの方が可愛げがあるぞ」
「そりゃ、そうだろうね。私はあんなに可愛くなかったし」
ハハハと笑うななし。
それを見ながらエルヴィンも笑ってみせた。まるで何百の命が消えたことを無かったことにしている様に。
だけれど、それが無理だと言うことも分かっていた。
「にしても、お前の判断には肝を冷やしたぞ。ミカサがいくら戦闘能力があるといっても新兵だぞ?奇行種に仕向けるなんて」
「エルヴィンの無茶振りよりはまともさ。いきなり巨人10体倒せとか有り得ないよ」
「……それは、すまなかったと思っている」
苦笑いを零すエルヴィンにななしは肩を竦めて見せた。
二人の昔話にリヴァイは詰まらなさそうに眉を顰<ヒソ>める。
「リヴァイ。そんな顔しなくても良いじゃない。危なければちゃんと助けたさ」
「別に俺は構わねぇ。お前のこと嫌いだからな」
「相変わらず手厳しい」
肩を竦めて笑ったななしにリヴァイはますます眉を寄せた。
「さて、では本題に戻ろうか」
エルヴィンの一言で二人は向き直る。
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