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serial story
3
ずっとこの手で守るよ




「ロイド…入るぞ」

「……ぅ…」

「ロイド!?」


苦しそうに小さな身体をベッドの上で丸くなっているロイドに慌てて近づくと浅い呼吸で胸を押さえている。
急いで呼吸のしやすいように気道を確保したがロイドの表情は見たことの無いような苦痛の表情を浮かべている。


「ロイド!ロイド!深く息を吐け!」

「…ひゅ…!」

「頼むロイド!」


また俺を独りにしないで!!


「はぁ…はぁ…あ…に…にー?」

「ロイド…」

「どーた…の?いた…い、い…たい?」

「痛いのも苦しいのもロイドだろ…」

「にー…に、なか…なぁで」


泣かないで?
俺泣いてるのか?


「いたーの、い…たーのとんで、けー」

「ロイド…!」


自分が今苦しいのに優しく笑って頭をぼんぽんと撫でてくる小さな手に涙が止まらなくなる。
そしてぎゅっと小さな身体を強く抱き締めた。





トクナガと侍女が来たので一旦別の部屋に移動した。

あのままだとロイドを抱き締めて離せなくなりそうだったから。

そしてさすがのセバスチャンはあのヒトの供養を着実に進めていたようだった。



「ロイドは…?」

「大丈夫です、今は何事もなく寝てらっしゃいます」

「……いつもああなのかロイドは…」

「はい、ゼロス様の所に向かわれない日は前の日の夜あの様な発作が出た日で…」

「そうか…」

「ロイド様は毎日ゼロス様に逢われるのを楽しみにしてらっしゃいました」

「知ってる」


トクナガと話をして自分に嫌気がさす。
楽しみにしてたのを知っていたのに今日までの自分はどうだった?
自分だけを不幸だと思っていた自分は。


「…なぁあの発作は病気からか?」

「……いえ…不慮の事故で胸に傷が残ってしまいそれが原因で…」

「…またあのヒトか…死んでしまった人を憎むのは嫌だけど本気で俺はあのヒトだけは赦せない」


俺だけではなくロイドにまで…
俺ら兄弟はあのヒトにどれだけの不幸を浴びせられればいいんだ?

がちゃっと扉の開く音がして扉の方を見ると顔色が少しだけ良くなったロイドがひょっこりと顔を出した。

「…にーにー?」


呼ばれて咄嗟に駆け寄り目線を合わせるようにロイドの前にしゃがみこんだ。


「ロイド!?もう起きて大丈夫なのか?」

「あい!…ね〜にーにーおかぁさんは?」


…予想していた質問だけどやっぱり実際に聞かれると痛いな…


「…あのヒトは…天国ってとこに行ったよ」

「てんごく?」

「そう」

「じゃあろいどもいくぅ!」

「だめ」

「なぁーで!?おかぁさんひとりじゃかあいそーでしょ?」

「…ロイドが行っちゃったら今度は俺が独りになっちゃうよ?それでもロイドは行っちゃうの?」

「…むぅ…にーにーひとりなるの?」


純粋な目で見上げるロイドをぎゅっと抱き締める。
始めて逢った時のように温かい体温に涙が出そうになる。


「…そう独りになっちゃうんだ」

「ひとりはやぁーね?ろいどにーにーといる!」

「ホントに?」

「あい!」

「ずっと一緒に居てくれる?」

「あい!これでやぁーじゃない?」

「うん、やぁじゃないよ…」


こう答えると出逢ってから一番の笑顔を俺にくれた。

「約束な?」

「はりせんぼん?」

「そう破ったらね」


小指を絡ませ微笑み合う。


この約束だけは絶対違えない。
あの日からロイドは俺にとって絶対不可欠なんだから。

だからずっと俺の手を離さないで…
俺は君を守り続けると誓うから。



end

もはや、みな別人(笑)

補足
ロイドの胸の傷ができた原因は母親が精神的にまいってくっついてきたロイドを振り払った時に運悪くテーブルの角に…って説明したらなんか残念だ

過去編一応終了〜
ロイドのひらがな語分からなかった場合言ってください!

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あきゅろす。
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