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serial story
1(幼少期)

『貴方さえいなければ私はあの人と幸せになれたのに!』

『ははうえ…』

『私には…貴方のその赤い目も髪も忌々しいわ…近寄らないで…』

『はは…う…え…』

『アナタなんて生まれなければ良かったのに…!!』







「はぁはぁ…最悪…」



ふと目に入る、鏡に写るこの赤が世界で一番嫌いな色だ。








赤の絆(11歳×4歳)





…君との出会いはこの俺にとって唯一の救い。





何時もの日常だったはずだ午前中までは。
午前中、マーテル教の聖堂でつまらない大人たちの会話を聞いて…
そういえば5年前おれと父上を捨てて屋敷を出ていった母親…とは呼びたくないヒトが数ヶ月前に別邸に軟禁されたという話を噂で聞いた気がする。

会いたいけど会いたくない。
そんな気持ちで…自分からはきっと会いに行くことはないと思う。

そんなことをうだうだ考えつつ窓際で紅茶を飲んでいるとセバスチャンがいつものポーカーフェイスではなく少々困ったような表情で近づいてきた。

「ゼロス様、本日夕刻、弟君のロイド様がいらっしゃいます。」

「ロイド?…弟?なんだそれは?」

「それは…」

「あぁ…いいなんか分かった。というか別に会いたくないんだけど」


考えなくても分かる。
あのヒトが外で産んだガキだろ…
ありえねぇな全く。


「いえ、しかしもう…」

「失礼します」

「トクナガ…」


トクナガはあのヒトがこの屋敷を出ていく前まであのヒトに仕えてた執事だ。

ということは…


「あの母親(ヒト)も来ているのか?」

「いえ」

「…そうかじゃあその新しい弟君ってのは?」


少し見渡しても新しい弟というのは見当たらない。


「はい、ロイド様…ロイド様!?」


…どうやら何処かに勝手に行ったらしい。
どれだけやんちゃなんだよ。


「申し訳ありません!すぐ探して参ります!」


慌てるように急いで部屋を出ていったトクナガの背を見てゆっくり立ち上がった。


「ゼロス様、どちらに?」

「あ〜ロイドって弟くんが見つかるまで外の空気吸ってくるわ」

「…はい」


ゆっくり手入れされた中庭に向かう。
自分の髪と同じ赤い薔薇が目に刺さる。


『その赤い目も髪も忌々し…』

「っち!」


悲しい…憎い…悲しい…
ぐしゃりと潰すように薔薇を握る。
棘の抜けきってない箇条があったのか握った手の平から細く血が流れる。


「てーていたい?」

「は?」


ハラハラと落ちる花びらを見つめているといつのまにか隣には少し赤みがかった茶色の髪の毛をツンツンと立てた見知らぬ子供が大きな瞳をくりくりとさせながらこっちを見ていた。

ふと気がつくとその子供に自分より小さな手で自分の手がぎゅっと両手で握られていた。


「いたーのいたーのとんでけー」

「おま…」

「いたーのとれた…?」

「え…ああ」

「よかぁったね!これあげりゅ!」

「へ?」


手渡されたのは赤い薔薇で作られた花冠。


「おなじいろー!」


髪と目を指差して幼く笑う子供に八つ当たりと分かっていてもイライラが起こる。


「………」

「ろいどねーしぇかいでいちばぁーあかがしゅきなの〜」

「へー」


無邪気に笑う顔にイラつきとは別に違う感情が心のほんの片隅に浮かぶ。



「ロイド様!ゼロス様!」

「トクナガ…」

「とくなぎゃ〜!」


やっぱりこの子供があのヒトの…


「ゼロス様見つけて頂いてありがとうございます」

「いや、たまたまだ」

「ロイド様…勝手に動き回ってはダメだと申しましたよね?」

「うー」

「ロイド様…」


トクナガがまた何か言おうとすると子供は俺の背に隠れてべーっと舌をだした。


「…ロイド…?…あまりトクナガを困らすなよ?」

「う?」

「な?」

「…あーい…ごめんなしゃい」


俺が諭すと素直に謝る子供を見て自分とは違い幸せな生き方をしてるんだと思った。

そう…あの母親に愛されて…



「ロイド様、この方が貴方様の兄上であらせられるゼロス様ですよ」

「あにうえ?」

「はい」

「そうらしいこれからよろしくなロイド」

「…あにうえ…にーにー!あい!」


元気に返事をすると楽しそうに飛び付いてきた子供をとっさに抱き止める。
久々に触れる人の温もり。

その温もりが暖かくて…そして憎かった。





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始めましたパロ!
短い感じなのですがロイドのしゃべり方に嫌悪感抱かなかった方のみお付き合いください!
しかし4歳児はどう話すか分からん…もっとちゃんと話すかな


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あきゅろす。
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