あなたのおかげで、とか そんなこと言えるわけないじゃない ただ、 ただ一言、一言だけ言えるとしたら・・・ 終わらない絆 「こんにちは、雲雀恭弥クン」 「・・・。」 雲雀はその声に返事をすることはなく、 ただ黙って近くにあったトンファーを手繰り寄せた。 「おやおや物騒ですねえ」 しかし声――六道骸は大して怖がる風もなく、むしろたのしそうに続けた。 もちろんその声に神経質になる雲雀。 姿を出さない骸にイライラを隠さず、サッサと出ていってと一言主張し黙々と作業を再開した。 【六道骸は相手にしない】 それが1番疲れず、且つ1番早く骸が帰る最善策と学んだからだ。 ・・・学ぶ程骸が雲雀の元を訪れているという事実を認めてるようで本当は嫌なのだが。 しかしそんな雲雀の意図を知ってか知らずか、骸は1人ペラペラと喋り始めた。 「いやあ雲雀クンはやっぱり美少年ですね。怒ってても可愛い可愛い」 「でも、」 「そのままじゃあすぐ捨てられますよ」 「!」 突如冷たく放たれた言葉に驚き顔を上げる雲雀。 しかしそこに、もうあのパイナップル頭の声は響くことはなかった。 [次へ#] [戻る] |