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V













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「・・何でアナタがココにいるの」

「ボスじゃなきゃ嫌か?」



ディーノが応接室を出て行った後。

まるで入れ替わるかのように、ドアの前にはキャバッローネFの次官、ロマーリオの姿があった。







「・・・そんなこと言ってない」

「ボスと喧嘩したのか?」

「別に。」
















「ねぇ。

 なんであの人は怒ったの?」



雲雀は困惑していた。

今日は特に言い争うような話は何一つしていないはず。


それなのにいつも以上に腹をたて、部屋を出て行ったディーノを突き動かした理由が全く解らないのだ。
そんな雲雀を見て、ああやはり彼はまだ子どもなのだとロマーリオは心密かに納得した。






しかし雲雀はそんなロマーリオの心の内を知らず、なかなか応えない彼に対し不愉快や苛立ちではないものからできる眉間の皺をうっすら、刻んでいた。






「ボスは、アンタからのプレゼントが欲しかったんだろうよ。」

「・・・今日はディーノの誕生日じゃない」

「オイオイ…ウチのボスはまだボケてないぜ」


思わず苦笑をもらす。


それでもこちらを見つめ答えを求める雲雀恭弥のその姿に、ロマーリオは自分なりに導こうとする。

その答えが合っているかどうかなんて、ロマーリオには人が呼吸をするか否かと問われ、すると答える程に自信があった。







「今日は大切な人にチョコレートとかのプレゼントをする日なんだろ?」


「らしいね。

でも勉強に不必要な物は持ち込みき「それでも持って来て欲しかったんだろうよ。ウチのボスさんは。」





少し声を大きくし、雲雀を優しく、しかし少し荒っぽく導く。


ディーノに、雲雀恭弥についての相談を受けた時の様に・・・










「・・・?」


「解らねぇかなぁ・・」





「アンタは、ディーノにとって何にも代え難い、マフィアのルールだって何だって犯しても構わない程に大切なヤツなんだよ」














「アンタは、違うのか?」



















風が煩く騒ぐ中、しかし雲雀はただただ前を見据えてバイクを走らせる。

さっきロマーリオに諭されたことがまだ頭を駆けているが、少なくともディーノが何故あの時怒ったのかは理解することができていた。






お礼はやはり、言わなかったが。




赤信号で止まるのさえ惜しい程に心が急く。



ここまで早く会いたいと思うのは、もしかしたら初めてかもしれない。
















『会いたい』と自覚して

   前に、進むのも・・・―――




















「首を洗って待ってなよ…ディーノ」



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あきゅろす。
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