トラブルメーカー
2
尚は寮へと向かいながら、自分の人見知り加減に落ち込んでいた。
(もっと、色々聞こうと思ってたのに)
幼い頃から人見知りの尚は、初対面の人にはどうしても素っ気ない態度をとってしまう事がよくあった。
(同室者は悪い人に当たらなきゃいいなぁ) チョコレート色の髪の毛を意味もなく触りながら、見えてきた寮へ歩みを進める。
手の中にあった紙を広げてみる。
301号室
部屋番号だけポツンと書かれた紙をみて、ふっくらとしたピンク色の唇から溜息がでた。
(同室者の名前とか書いといてよ)
尚の中性的な顔立ちには、落胆の色があらわれていた。
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