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トラブルメーカー
月宮学園に入寮します

「入寮手続きお願いします」


清水 尚(しみず なお)は、月宮学園の前に設置された受付の男子学生に入寮手続きに必要な書類を差し出した。

男子学生は書類をぱらぱらと捲り確認すると、銀色の鍵と名簿を尚に渡した。


「はい、君の部屋番号と鍵ね。中等部の寮と高等部の寮は別々だから間違えないようにね。まぁ男子校だし入っちゃダメな所はないからいいんだけどね」


にっこりと微笑む男子学生は、女の子ように可愛らしい容姿だった。


(これが先輩に思えない)

男子学生は蜂蜜色の大きな瞳で見上げるように尚を見た。


「僕は寮長の三浦 梓。君は外部からの新入生だから分からないこともあると思うし、何か困ったことがあったらいつでも聞きにきて?寮長部屋は一人部屋で1階にあるからさ」


にこっ、と笑いながら首を傾げる梓に、尚は素っ気なく返事をして地面に置いていた荷物を持ち上げた。


「寮はこの先の水色の建物だよ。因みに2人部屋になってるからね」


「わかりました、ありがとうございます」


尚は軽く頭を下げて寮へと向かう。




そんな、尚の後ろ姿を見て梓は口角をあげて見つめていた。




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