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風紀委員長に指名された次の日。
生徒会室の会議用のテーブルで生徒会役員と風紀委員長、副委員長で顔合わせを行っていた。
「…………」
僕は居づらくて身を縮める。
どうやら僕以外はみんな知り合いらしくその中に新入りの僕が入る、という状況だった。
「…な〜んかさあ〜」
今まで不思議そうに僕を見ていたピンクの髪をした生徒会会計が口を開く。
「何の特長もない普通の子だね〜」
「龍音時先輩が指名したからどんな人だろうって楽しみにしてたのにね〜」
それに同調して同じ顔をした赤い髪の人も口を開く。
「「なあ〜んかつまんなあ〜い」」
「こらっ。何ゆうてんの!可愛い顔やんか」
そんな二人を窘めるように背の高い人が二人を軽く睨む。
その人は僕に向き直るとにこり、と笑いかけてくれた。
「俺は二年の恒賀健。風紀副委員長に指名されたんよ。よろしゅうな」
「えっ…」
名前は聞いていたけどまさかこんなに格好いい人だとは思わなかった。
僕は慌てて頭を下げる。
「こちらこそよろしくお願いします!」
「…おい。それより水川黄々。和雅はどこに行ったの」
「…………へ…?」
この人は知ってる。
副会長の鳴海怜先輩だ。きのうの指名式で司会をしていた。
その鳴海先輩の言葉に僕はぽかん、としてしまう。
和雅…?
「怜ちゃん、とりあえず今は自己紹介やろ」
そんな僕を見て恒賀先輩がフォローを入れてくれる。
「黄々ちゃん、この人は副会長で二年の鳴海怜。で、こっちの赤い髪とピンクの髪したのが一年で会計をしてる双子の琉那神晶と尚毅。赤いほうが兄貴な」
「よっ、よろしくお願いします」
またぺこり、と頭を下げる。
「最後にこっちが……て、こら、笹崎!お前いつまで鏡見てんの!」
「え〜いいじゃ〜ん」
今の今まで手鏡で自分の顔を見ていた人が口を尖らす。
恒賀先輩が溜め息を吐きながら教えてくれた。
「こん子が書記で二年の笹崎あゆむ。自分大好きなやつやから、あんま気にせんといて」
「…は、はあ…」
確かに男なのに可愛い顔してるもんね。背が低いところは僕と同じだけど、顔が何の特徴もない僕とは雲泥の差だ。
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