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「なんでもないよ。ただ…」
「「ただ?」」


風紀の仕事にかまけて中間テストの存在をすっかり忘れていた自分が、恥ずかしかった。


「………来週から、中間テストだって…知らなくて…」


言うと同時に俯く。
二人の反応が怖くて顔を上げていられなかった。


「「中間テストー?」」
「そうなんだー」
「知らなかったー」


「………、へ?」


思わず口をぽかんと開け二人を見る。
当の琉那神兄弟はきょとん、としたままさして動揺もしていないようだった。


「「で、それがどうしたの?」」


「………、へ?」


まさかそこを訊かれるとは思っておらず一瞬思考が止まりかけるが、次の瞬間には二人に理由を伝えるべく再び動き出した。


「……あの…、風紀の仕事で授業にも出てなかったし、テストがあるってこと知らなくて勉強もしてなかったから………その、テストがやばいな…て…」

「「………ふーん」」


ぱちぱちと瞬きをして不思議そうにしている二人の様子に困惑し、おろおろと無意味な行動をとってしまう。
そんな僕の様子を見ていた琉那神兄弟がぱん、とお互いの手と手を合わせた。


「俺らいつも勉強なんてしないけど」
「「ねー」」


「………、へ?」


その言葉に驚いてぽかん、と口を開け二人を見てしまう。
唖然とする僕の前で二人は尚も言い募った。


「勉強なんてめんどいしー」
「もっと楽しいことが他にあると思うんだよねー」
「「ねー」」



(………)


生徒会って…、そういうものなのかな。
感心するが、それと同時に焦りを感じる。
生徒会や風紀委員の中で僕だけ成績が悪かったらどうしよう…。
それは風紀委員長に指名された立場としてかなりまずいんじゃないだろうか。


「そんなに心配なら鳴海先輩に勉強教えてもらう?」




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あきゅろす。
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