4 その後、琉那神兄弟が去った後は何事もなく過ぎて行った。 二人の朝の言葉が効いたのか、遠回しに見られることはあったがそれ以外は特に何もなく、陰口を言われることさえもなかった。 これが生徒会というものなのか、それとも生徒会メンバーのカリスマ性によるものなのか。どちらにせよ鶴の一声だったのは間違いなかった。 今日の授業も全て終わり担任によるHRが始まる。 これが終わったら風紀室に行き、仕事をすることになっていた。 教卓の前に立った担任が教室を見回す。 そして放たれた言葉に一瞬にして思考が停止した。 「あー、来週からは中間テストが始まるが…。」 (……………、へ?) 担任から言われた言葉に頭が真っ白になる。 言葉は理解できるが、頭では理解することができなかった。 (……て…、テスト…?) しかも、…来週から…? 「高等部での初めてのテストだからな。ちゃんと勉強しろよー」 頭をバットで殴られたような衝撃に、僕は何も考えることができずにただただ固まってしまっていた。 HRが終わった後もしばらく席に着いた状態のまま茫然としていると、急に辺りが騒がしくなりゆっくりと意識が覚醒していく。 どうかしたのかと顔を上げる前に、まったく同じ顔が二つどアップで視界に入ってきた。 「うわ!」 「きいちゃーん、どうしたのー?」 「さっきから呼んでたんだけどー?」 僕の机に肘を付き頬杖をついている琉那神兄弟が僕のことを覗き込んでいた。 驚きにドキドキとする心臓を手で押さえながら姿勢を正した二人を見上げる。 [*前へ][次へ#] [戻る] |