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朝の早い時間だったために人影もまばらな中、教室に着く。
琉那神兄弟は教室の中にまで付いて来て僕に纏わりついてきた。
その顔は楽しそうに輝いている。


「こっからが俺らのお仕事だからね〜」
「ね〜」
「……?」


含み笑いをして顔を見合わせる二人を放って教科書を取り出す。
その意味がわかったのはクラスメートが教室に集まって来てからだった。









「キャー!!」
「琉那神様ー!!」
「キャー!こっち向いてくださーい!!」


高い悲鳴が教室に響き渡る。
あまりの騒がしさに廊下を歩いていた生徒も教室内を覗き込み……同じような悲鳴を上げた。



(…す、すごい)



生徒会は人気だという話しだったけど、こんなに騒がれる程、一般生徒にとって特別な存在なのだろうか。


「「みんな〜、注目〜!」」


琉那神兄弟が手を挙げて教室内を見渡す。全員の視線が向いているのを確認すると親密そうに僕の首に手を回した。


「鳴海先輩からの伝言〜!」


そう言うと二人は明るい笑顔を浮かべた。


「「――水川に手出したら一生後悔させるよ?にっこり。――だって〜。わかったぁー?」」

「はぁ〜い!」
「わかりましたぁ〜!」


琉那神兄弟が教室内に呼び掛ければすぐさま返事が返ってくる。
顔を赤くしながら返事をする面々を見て、やはり支持率が高いのだと感心した。



(…あれ…?)



しかしよくよく見ると琉那神兄弟に声援をおくっていない一部の生徒が教室の隅で固まっていた。その顔は一様に青く具合が悪そうな様子に、僕は一人首を傾げたのだった。



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あきゅろす。
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