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どんっと音をたてて荷物を詰めたダンボールをフローリングの床に置く。


「はあー…、腰痛い」


腰に手をやってトントン、と叩く。


「今日中に終わりそう?」
「うん。なんとか」


同室者の今井くんに尋ねられて顔を上げながら答える。
僕は明日から風紀委員長の部屋に移るため、その引っ越し準備をしていた。
風紀委員長の部屋――それは生徒会長との同室だ。
風紀委員長は生徒会長と、副委員長は副会長と同室らしい。


「水川くん、明日から風紀委員長頑張ってね」
「…うん、ありがとう」


僕と同じこの春から森下学園に編入した今井くんは応援してくれるけど、中等部からいる生徒はほとんどが僕を妬んでいた。

指名式のあと僕は教室でかなり居づらかった。クラスメートはさすがに風紀委員長に指名されたのが僕だと気付いたらしく何でこんな子が、とずっと遠巻きにされた。


「………はあ…」


あの状態の教室にいるよりは風紀委員長として仕事をしていたほうがまだ良いのかもしれない…けど…。


新しいダンボールを取り出してまた荷物を詰め始める。


明日から風紀委員長の仕事が始まる。


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