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このホテルはここら辺では一番大きな宿泊施設であり、先程まで行われいたたような開会式を開けるだけの広さを持った部屋も備えられていた。

僕達は歓迎会が行われる二日間をこのホテルで過ごすことになっている。
生徒会と風紀委員は同じ階に部屋が割り当てられているため、行く先は同じだった。


「ホテルでの部屋割りは寮と同じなんですね」


僕は隣を歩く恒賀先輩を見上げる。

開会式を行っていたホテルの一階から部屋がある七階に行くため、エレベーターホールへと生徒会の人達と恒賀先輩と僕とで歩いていた。

僕の質問に恒賀先輩は笑いながら答える。


「新入生はみんな仲良うしよう、いう趣旨で寮の部屋割りやクラス関係なく決められるんやけど、俺らはただの付き添いやからな。寮の部屋割りそのまんまなんよ」
「この学園は中高一貫だからみんな仲良いように見えますけど…」


中等部から森下学園にいる人達はお互いを良く分かり合っており、外部生としては少し居辛い程だった。


「ああ、それはな、自分らは高校生になったんやで、て自覚させるためと、高等部から外部生が入るからな。仲良うするようにってことらしいで」
「へえ、そうなんですか」


感心して聞いていたら突然恒賀先輩が顔を近付け僕の耳元に口を寄せた。


「部屋は龍音寺と同室やけどあいつとはうまくやってるんか?」
「…あー」


うまく…というか、龍音寺先輩はほとんど寮の部屋には帰らず、この間少し先輩と話せはしたがうまくやっているとはまた別な気がする…。

うーん、と悩んでいると僕の前を歩いていた琉那神兄弟が、ばっと勢い良く振り向いた。


「「ねぇきいちゃん!」」

「…え?えっ?」


きいちゃんて僕!?と二人の顔を見比べる。しかし琉那神兄弟はそんな僕なんてお構いなしに僕を二人で挟んで左右から話しかけてくる。


「龍音寺先輩とはもう寝た!?」
「同じ部屋になった初日に襲われた!?」


………。

………寝る?

………襲われる?


「アホ!お前ら何ゆうてんの!」


恒賀先輩が琉那神兄弟を引き離そうとするが、二人は軟体動物のように僕の身体に腕を回し離れようとはしない。
そんな僕達にその前を歩いていた龍音寺先輩に鳴海先輩、笹崎先輩までもが振り向いた。


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