好き未満 6 でもちょっとくらい副委員長様で遊んでもイイよね〜。 オレたちがジェットコースター乗り場に行くと、人気なだけに混んでいた。 最後尾にならんで順番が来るのを待つ。 オレ的に副委員長様がジェットコースターに乗った様子を観察したいからとなりがイイけど〜、それだと鈴夏を1人にしちゃうからね〜。 2人のうしろならまだ様子を観察できるかな? ちょっと身をのりだしてみたり?なんて考えていたら、袖を引っ張られる感じがしてそっちを見てみる。 そこにはいつの間にか鈴夏が移動してきていて、まえのほうを見ながら話しかけてきた。 「ねぇお兄ちゃん。あのまえにいるのって順くんじゃない?」 「へ?順〜?」 順ていうのはオレのクラスメイトの順のことだろう。 順はまえにオレの家に来たことがあるので、鈴夏も知っているのだ。 こんなとこに?なんて思いながら見ると、たしかにまえのほうで順が列にならんでいるのが見えた。 となりにはかわいい女の子がいる。 「一緒にいる人って彼女さんかな?」 「うん、そうかもね〜」 オレは順の彼女を見たことはない。 いるのは知ってたけど。 「あぁ、樹白順か」 となりの副委員長様から声が聞こえたので視線をやると、まえのほうを見ながらうなずいていた。 「順のこと知ってるのー?」 不思議に思って聞いてみるとすぐに答えが返ってくる。 「樹白はランキング上位者だろう。風紀の要注意リストに入ってる」 「それでかー」 ランキング上位者には親衛隊もちの人もいるから、風紀も監視してなきゃいけないんだよね〜。 もう一度順のほうに視線をやる。 オレたちには気づいていないのか、楽しそうに話していた。 そこにはオレが見たことがない顔をする順がいて。 オレはほんの少しだけ、順がうらやましくなった。 [*前へ][次へ#] [戻る] |