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好き未満


でもちょっとくらい副委員長様で遊んでもイイよね〜。



オレたちがジェットコースター乗り場に行くと、人気なだけに混んでいた。

最後尾にならんで順番が来るのを待つ。


オレ的に副委員長様がジェットコースターに乗った様子を観察したいからとなりがイイけど〜、それだと鈴夏を1人にしちゃうからね〜。

2人のうしろならまだ様子を観察できるかな?

ちょっと身をのりだしてみたり?なんて考えていたら、袖を引っ張られる感じがしてそっちを見てみる。

そこにはいつの間にか鈴夏が移動してきていて、まえのほうを見ながら話しかけてきた。


「ねぇお兄ちゃん。あのまえにいるのって順くんじゃない?」
「へ?順〜?」


順ていうのはオレのクラスメイトの順のことだろう。
順はまえにオレの家に来たことがあるので、鈴夏も知っているのだ。



こんなとこに?なんて思いながら見ると、たしかにまえのほうで順が列にならんでいるのが見えた。
となりにはかわいい女の子がいる。


「一緒にいる人って彼女さんかな?」
「うん、そうかもね〜」


オレは順の彼女を見たことはない。
いるのは知ってたけど。


「あぁ、樹白順か」


となりの副委員長様から声が聞こえたので視線をやると、まえのほうを見ながらうなずいていた。


「順のこと知ってるのー?」


不思議に思って聞いてみるとすぐに答えが返ってくる。


「樹白はランキング上位者だろう。風紀の要注意リストに入ってる」
「それでかー」


ランキング上位者には親衛隊もちの人もいるから、風紀も監視してなきゃいけないんだよね〜。





もう一度順のほうに視線をやる。
オレたちには気づいていないのか、楽しそうに話していた。

そこにはオレが見たことがない顔をする順がいて。




オレはほんの少しだけ、順がうらやましくなった。



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