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好き未満





どんなにオレが傷ついても、

辛くて逃げ出したくなっても、

それでも


日常はやってくる。



















「あっちー!」


水道の蛇口を上に向けて、頭から水をかぶった順の髪から水滴が落ちる。
オレもマネしたかったけど、あとが面倒なのでやめておいた。



「もう10月になるってのに暑いよなー」
「ほんとにー。体育のあとだと余計にね〜」


もう来週からは10月に入るという今日この頃、まだ木の葉も緑色で日中には30度近くまで気温が上がる。

さっきまでの体育の授業も外でサッカーをしていた。
思いっきりグラウンドを走りまわった今は、額など体全体から汗がほとばしっている。

秋にはまだほど遠いような気候だった。



外に設置されている水飲み場からはグラウンドが見える。
オレたちのクラスと交代で次の授業のためにグラウンドに入っていく生徒たちがここから見えた。


水気を多くすった前髪をかき揚げて、順がふとグラウンドのほうに視線をやった。


「……あれ副委員長じゃん」

「――――」


順の視線を追ってグラウンドに目を向けると、たしかに体操服を着た副委員長様がいた。



そして、その隣には黒色くんがいる。



「………」

「…次副委員長のクラスが体育なんだな」

「……そうみたいだね〜」












あれから。



あれから、副委員長様とはまったく話していなかった。


顔も…合わせていない。



(………でも…、これでいいんだ)







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あきゅろす。
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