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シュッとしてる



「……おいカス、何やってんだ」

「いや、鼻をつまんでる」

「今すぐやめやがれ」



そんな凄んでもアレだよ、鼻つまんでるから変な声しか出てないから全然怖くないんだよ。
なんか今なら無敵な気分。



「阿含、変な声」

「テメーが鼻つまんでるからだろうが、しね」

「ぼくはしにましぇ〜ん」

「プチッと潰してやろうか」

「それは困りますなぁ」



いい加減離しやがれ、と手を掴まれた。あぁ、阿含の鼻が遠ざかる。
そしてゴツゴツした手で鼻をつままれる。



「ふ、復讐はやめろ、悲しみしか生まないんだぞ……

みたいなことをカカシ先生が言ってた気がする」

「あ゛ー?いきなりナルトの話してんじゃねぇよ」

「落ち着け阿含、わたしの鼻をつまんでも何も生まれない」

「悲しみを生むんじゃなかったのかよ」

「そうだった。

阿含を悲しませたくないから、この手を離そうな?いい子だから」



そう言うと、すごく面倒くさそうな顔をして手を離してくれた。ありがとう、でもデコピンはいらんかったな。そんな置き土産いらんかった。



「純粋に痛い」

「そうか、よかったな」

「なんでわたしが阿含の鼻つまんでたかって話なんだけどさぁ」

「急に話変えてんじゃねぇよカス」

「なんでか気になるだろ?」



これまた心底面倒くさそうな顔をして、一応聞いてやるよ、と言った。こらこら、だるそうに耳をほじるな。人の話を聞く態度じゃないぞ。



「阿含の鼻ってシュッてしてるからさぁ、羨ましくなった」

「あ゛?」

「シュッてしてて高いから羨ましくなった」

「それと鼻つまむのとどう関係あんだよ」

「……さぁ?」

「しね」

「生きる!いや、

生ぎたいっ!!!!」

「うるせぇ!!」

「痛い゛!!」



スパン!と頭を叩かれた。
わたしが馬鹿なのは阿含にしょっちゅう頭叩かれてるからだと思うんだよなぁ。



「今の刺激で脳細胞が死んだぞ」

「そうか、よかったな」

「よかない、馬鹿が加速する。

馬鹿が加速するってなんかかっこいいな……こう、なんか、時は加速する、みたいな感じで。スタンド使いっぽくね?」

「まじで馬鹿が加速してっからやめとけ」

「阿含が頭叩くのやめてくれたら万事解決」



さっきから割と雑な返事だったけどもう返事すらない。わたしは悲しい。







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