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幻愛夜想曲
5

「…今月僕たちが倒した数は四体。しかし、消滅したこの地区の凶徒の数は七体だったんだ」


「な、七体!?」


一同が唖然とした様子になる。


(ひと月に七体…大変)


「それは二、三ヶ月分に匹敵するな…多すぎだろ」


驚いていった暁に、霧夜は首を振った。


「いや、それもあるんだが注視するのはそこじゃないんだ。…考えてみて、この地区には僕たち以外能力者がいないはずなんだよ」


その言葉に皆はっとする。


「じゃあ…誰が」


「…そこなんだ。僕らの中で単独で凶徒を倒した者は、いない」


真剣な空気が漂う。


「私たちの気付かないうちにそれだけの数を消滅させていたということは…なにか特別な能力を持っているのでしょうか」


不意に疑問に思ったことを口に出すと、霧夜と玲が反応した。




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