幻愛夜想曲
4
「レポート見せてくれたっていいだろ!!」
「いやよ、自分でしてよね!」
空き教室につくと、すでに暁先輩と沙紀先輩がいた。
(本当に仲いいなぁ)
それを言ったらきっと否定されるだろう。
苦笑しながら二人のやり取りを見つめていると、不意に霧夜がそれを止めた。
「…なあ、一体今日はどうしたんだ?」
どうやら暁先輩たちもどうして集まったのか知らないらしい。
切り出したのは玲だった。
「最近、凶徒の出現が増えているのは知っているだろう。今月はこれまでですでに四体。明らかに多くて異常だから、確認のために学院地区のPSI支部に問い合わせたんだ」
PSIというのは凶徒を倒す人々の管理所みたいなもので、凶徒に関しての情報をたくさん持っている。
学院地区とはこの高校、私立天崎学院高等学校の範囲の地区のことで、この地区の能力者はいまのところこの五人だけだ。
「それでどうかしたんですか?」
沙紀の言葉に、今度は霧夜が代わって口を開いた。
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