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幻愛夜想曲
3

廊下へ赴くと、霧夜は美猪の手を引っ張って教室からさっさと離れた。


「煩わしいな」


どうやら人混みが苦手らしい。


しばらくして静かになるとようやく歩調が緩んだ。


向かっている場所はいつも集合の時に使っている空き教室らしかった。


「あの、どうしたんですか?」


隣の霧夜先輩とは身長差があり、自然と見上げる形になる。


美猪は女子の中では割と長身だったが、それでも10センチは差があった。


「後で話すよ」


別の棟へと移り、ここで話す必要はないと感じたのか霧夜はそう言った。




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