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盤上破乱
第参頁











「修羅もやりすぎや。亮翼の奴ちぢみあがっちょったぞ。」


 修羅が廊下を歩いていると、圭が話しかけた。


「そうですか。」


 そう修羅が答えると、圭は溜息をついた。


 ひねくれているのか人間を怖がらせる事が趣味なのか分からないが、間違っても歓迎にやったとは思えない。


「嫌われても知らんぞ。」


 しまいに圭がそう言うと、修羅は


「好かれようとは思っていないので。」


 と言って珍しく音を立てて襖を閉めた。


 新入隊士が来る日はいつもこんな感じなのだが圭は仕方がないとつぶやいた。







.

 




「鬼兵城?」


 土方の部屋の中


 山崎が何かを告げると土方は眉をひそめて言った。


「ええ。」


 山崎は頷くと、書類を差し出す。


 鬼兵隊とは高杉率いる鬼のように強い過激派攘夷志士の集まりだという。


 鬼兵城とは、その支部アジトらしい。


「よくやった山崎。早速準備にとりかかるぞ。」


 土方はそう言うと、立ち上がって部屋から出た。


 山崎は一息つくと、重苦しい空気の満ちる部屋から退散した。




























「で。何です。」


 会議室に一番隊が集まると、珍しく修羅が最初に口を開いた。


「今夜鬼兵城に乗り込む。だから作戦を立てているんだろ。何です。じゃねぇよ。」


 土方があきれて言うと負けじとなのか天然に言いたかったのか修羅が口を開く。


「それは分かっています。だから作戦とは何か聞いたのです。僕は一度聞いたことを聞き流すような馬鹿ではありません。」


「うそつけぇ!!」


 堅い空気が一気に崩れる。


 何故余計なときだけ茶々を入れるのかと亮翼はまた眉をひそめた。


「亮翼。」


 ふいに圭が声をかける。


 亮翼は目だけ圭の方へ向けた。


「お前、頭脳派やったのぉ。」


「はい。」


「どんな作戦で行けば良いか分かるか?」


 圭がにやつきながらそう言うと、亮翼は城の全体図を取り出した。


「一気に行くと全滅になりますね。」


「なーる。ああ。それとのぉ。」


「なんです?」


「敬語やめてくれへん?」


 笑っている圭に、亮翼は驚いた。


 最近修羅の変な常識や沖田の乱暴や修羅の変な常識や沖田の乱暴に(何故二回言う←それほど大変だったんだよ。きっと。)疲れていたからか、圭の友情に少し感動した。


「修羅と間違う読者がいたら困るやろ?」


(前言撤回)


 そのとたんに亮翼は思ったのである。














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あきゅろす。
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