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盤上破乱
第玖頁(主人公3Ver.)


亮翼は机に突っ伏していた。


彼の目の前には日の光を塞ぐほどの紙が積まれていた。


全て真選組の始末書で、本当は土方がやるはずだった書類ばかりである。


諸事情により亮翼がやるはめになったのだが土方のように慣れていないため、今の状態になったのである。









「大丈夫?亮翼君。」


部屋に山崎が入ってくる。


一応言っておくが、山崎は亮翼の上司である。


「あ…ああ大丈夫です。」


机に突っ伏したまま亮翼は片手を挙げる。


積み上げられた書類を見ながら山崎は「無理もないよな…。」と嘆息を漏らした。


「局長こういうのできないからいつも副長がやっているんだけどねー…はい。」


気の利くことに、山崎は亮翼の横に茶を置く。


亮翼は「ありがとうございます。」と言って顎を机の上に乗せたまま湯飲みを傾けた。


「…(笑)」


「括弧笑いってなんですか山崎さん!!」


気味が悪いようで、亮翼は後ずさりしながら山崎にツッコんだ。


山崎は口を歪ませたまま「いやァね…」と話し始めた。


「修羅君と似ているなーって。」


「…は?」


亮翼は湯飲みを持ち上げたまま口をポカンと開けた。


「いつもお茶飲んでないか?修羅君って。」


「なかなか登場しないのに凄い観察力ですね。(地味男なのに…)」


「心の声が駄々漏れだよ亮翼君。…容姿はともかく行動とか好みとか似てるところない?」


「…。」








その時亮翼も修羅も知らない間にどっかの錆びた時計の針が12時を知らせた。












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