盤上破乱
第参頁
所変わって救急室。
修羅と土方と沖田と近藤がいる。
「ひどいですね。これで何人目ですか。」
「えーと…十八人目でさぁ。隊士の半分以上がやられちまったわけですね。さすがに此処までくると薄気味わりーや。」
「冗談じゃねーぞ天下の真選組が幽霊にやられてみんな寝込んじまっただなんて恥ずかしくてどこにも口外できんよ情けねぇ。」
「トシ…俺は違うぞ。マヨネーズにやられた!」
「余計言えるか。で、修羅。」
土方が呼んで修羅は振り向いた。
「なんですか。」
「なんですかじゃねぇぇ!!そのスピーカーを置け!!」
修羅は仕方がないとスピーカーを投げ飛ばした。
崩壊音が響いたのは放っておこう。
「みんなうわごとのように赤い着物の女と言ってるんですが稲山さんが話していた怪談のアレかな?」
沖田が茶を啜りながら言う。
「バカヤロー幽霊なんざいてたまるか。」
「そうですよ。幽霊なんかいたら土方副長先輩が寝付けないでいるでしょうからね。」
「どーいう意味だそれ。」
土方が刀に手をかけると近藤が遮るように言いはじめた。
もちろん背を向けているためそのような意図は無いのだろうが。(ダメじゃん)
「霊を甘く見たらとんでもないことになるぞトシ。この屋敷は呪われてるんだ。きっととんでもない霊に取り憑かれてるんだよ。」
近藤が深く溜息をついた。
(この人は隠すことがないですね。全く…。)
修羅はそんなことを思って茶を啜った。
いつ帰ってきたのか廊下を歩いてきて、山崎が来た。
「街で探してきました拝み屋です。」
平然と紹介されたそれは
かなり怪しい御祓い屋だった。
「どうも。」
包帯をぐるぐる巻きにした男が挨拶をした。
「なんだこいつらは…サーカスでもやるのか?」
「是非ともやってほしいですね。そうすれば霊を『こいつら馬鹿じゃねーの』ってことで去ってくれるかもしれません。」
「そんな不名誉な去り方されたたまるかよ。」
土方が修羅の頭を思いっきり殴る。
近藤が土方をおだてると自分が連れてこさせたと説明した。
「オイオイ冗談だろ。こんなうさんくさい連中…。」
土方がにらむと包帯男が土方の後ろを指さしながら
「あらっお兄さん背中に…。」
と言った。
土方はなんだよ。と振り向くと
バズーカを構えた沖田と刀を頭にたたきつけようとする修羅がいた。
「てめぇらなにやってんだぁぁぁぁ!!」
土方が沖田と修羅を追いかけていると(ずいぶんと原作と違う;;)近藤が小さな怪しい女の子の前に立っておびえた口調で言った。
「先生なんとかなりませんかね。このままじゃ恐くて一人で厠にも行けんのですよ。」
初対面の不審者に先生呼ばわりもどうかと思う。
「任せるるネゴリラ。飼育員さんに連れて行ってもらうヨロシ。」
「さにそれ本物のゴリラ扱いじゃんそれぇぇ!!」
近藤の悲鳴は廊下に響いた。
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