鮮やかな赤はやがて




さぁ、どこまで視たい?



.鮮やかな赤はやがて.







瞳を細めた青が自らの首筋に透明な刃をあてながらそう微笑んだ。綺麗に弧を描いた唇に躊躇いは一切なく、瞳はひたすら魔物を射抜いている。

魔物は動かない。否、動けない。

目の前の魔導師が何を考えているのか理解できない。

赤の先の悪夢を見せてやる。彼はそう言った。あるものかそんなもの。忌むべき色は赤だ。それが自分が魔物である由縁、なのに。

だけど体が震えるのは何故?
期待している。何かを、どれかを。

何を?

「不幸自慢なら結構だ赤い魔物。怨むなら世界ではなく抗えなかった自分を恨め」

青い闇はそれだけ言って瞳を閉じた。そうして首筋にあてた刃をためらいなく―――。









赤は風化し黒くなる。赤くいられるうちはまだ。

闇が笑った。


「好きなんだろう、人間が。…なら、お前はまだ墜ちきっていない」
「真に世界を敵に回すこと、それは眠りすら赦されないのだから」





(血だまりを足元に作り上げた彼が魅せてくれたのは)

−−−−−−−−

−−−−−−−−
まったくめでたくないあやさまはぴば!時のネタでした。日記ログ救済。




第3回BLove小説漫画コンテスト開催中
無料HPエムペ!