ソウマカ
※マカちゃん狂気に完全に呑まれてます。
※流血表現有り
















跳ね返る血が、飾らない頬を汚した。
緑の瞳は爛々と輝き、鎌を握る手を包む手袋は、元の色がどちらだったのか分からない程、赤褐色に染まっていた。
握られている鎌が幾ら拒絶をしても聞く耳など持たない。焼けるような熱さを放つ柄など気にも留めず、鎌を振り続けた。
助けてくれ、と乞う声に冷めた視線を投げかけて、即座に首を刎ねる。
ゴトリ、という重々しい音が反響して耳にこびりつく。
肉体を失った魂がふよふよと浮かび、停滞する。
幾つも浮かび上がったそれらに吐き気を感じたのも、大分前の話だ。

「さ、ソウル、食べて」

にこやかに、けれど強制力のある声が促す。
無言で鎌の姿がぶれ、そして人の形へと変貌を遂げ、周囲に産卵した魂を次々に飲み込んで行く。
吐き気をもよおしそうな程新鮮な魂が内臓を刺激する。
もどしてしまえれば、どれだけ楽だろうか。

「そーうるぅ」

背後から間延びした声がかかる。
振り向きたくとも。首が軋む音がして上手くいかずに終わる。きっと魔女の様な笑みを浮かべ、膝をついて座っているのを腕を組んで見下していることだろう。

「美味しかった?」

それはそれは、嬉しそうな声が降ってきた。

「・・・・・・あぁ」
「良かった!」

こうして嘯くのももう何度目やら。思い出したくも無くて、けれど何を成す術も無く、ただ小さく歯軋りをした。

マカが善人の魂を狩るようになって、一ヶ月目の事だった。


頭を垂れる人々に無慈悲に振り下ろされる大鎌

(マカがいいなら、俺は只従うだけなんだ)




狂気墜ち好きです。マカが墜ちてもソウルが墜ちても両方墜ちちゃっても美味しい。
勿論普通のソウマカだって好きですよ。

お題提供元:Kill yourself「http://nanos.jp/killyourself/」



.

第3回BLove小説漫画コンテスト開催中
無料HPエムペ!