バイバイ、恋が死んだよ(ラビ)
「名前、俺決めたさ」
朝食をとる私の前に、いきなり現れたラビ。今日もなんて可愛いんだろう。あ、かみの毛はねてる。
「どうしたの」
「よく聞くさ」
「うん」
「俺、リナリーに告白する!」
まだ人の少ない食堂に、声が響く。あわてて口をおさえて、キョロキョロとまわりを見まわすラビ。なんてバカなのかしら。
「…ふうん」
「うわ、冷たいさ!」
顔も上げずに返事をすると、子供みたいに口をとがらせた。ほんとうに、よく変わる表情。
「ちゃんと聞いてるってば」
「ほんとに?」
「ほんとだよ。がんばれ、ラビ」
そう言ってちらりと顔を上げると、ニカッと笑うラビと目が合った。名前に言われたらがんばれる気がするさ、なんて言うから、私はまた食べかけのスコーンに視線を落とす。
「リナリーどこにいるか、知ってるさ?」
「さっきコーヒー取りに来たから、たぶんコムイさんのとこじゃない」
「ありがとさ」
「あのさ、ラビ」
立ち上がったラビを、私は思わず呼び止めた。
きょと、と振り返る彼。
「どうしたさ?」
「…髪、はねてる」
「え、うそ」
「ばか、横だよ」
「うわ!ほんとだ!」
「うん」
「直していくさ、サンキュ名前」
「うん、」
ふられたら慰めてさー!なんて言いながら走っていくラビ。
ほんとバカ、あの子もあんたが好きなのに。
バイバイ、恋が死んだよ
はじめからわかってた。
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