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01
(まだC:Bがそれぞれ別々に住んでた頃の話)





昨日の雨がマズかったか、それとも学校か。
原因を記憶の海から探りつつ、独りうなされている午後2時。

朝はなんとか起きて食べた。
昼は…なんか、もう、いいや。

勝手に涙が滲む目で天井を見上げる。
だるい、くるしい、あつい。







お願い、そばにいて







看病はいらない。
自分の弱った姿を知られるなんて、まっぴらごめんだ。
まだまだ大丈夫。
本当にヤバくなったらエデンに緊急連絡する。



夢の中だと苦しいのも少しマシだ。
なんとか寝ようと、ひとつ寝返りをうって目を閉じた。


もう少し、もう少し…



「よんばん!!助けにきたでー!」


耳の奥がキイン…とした。


ベランダに立っているソイツは窓ガラスをしきりに叩いて、開けろと催促している…
くっそ、ウゼエ!頭に響く!


無視を決め込もうかとも考えたが、止まない音に募るイライラがとっくに眠気を消し飛ばしていたので、やめた。

仕方なくベッドから降りて、寝間着にその辺の上着を引っ掛け、大股で近づく。
窓の鍵を開けてやったら、「おおきになー」って、こっちの不機嫌には気付いていない様子。

あ゛あああ!むっかつく〜!!



「看病しに来てん。」

って、にっこり微笑まれたって、お前の看病なんかちっとも嬉しかねーし!


あれ、てか、そもそも
「…なんで遊騎がオレの風邪を知ってんノ?」


「ああ、それな。桜小路(にゃんまる)に聞いてん。」

刻くんが風邪をひいたらしくてな。
風邪をひいた時に独りぼっちだと、どうしても寂しくなるものだ…
刻くんも今頃…
私は用事があって行けぬのだ。
すまぬが遊騎くん、頼めるか?

「――…ってな。朝たまたま会ってな、頼まれたんよ。
弱いもんは俺が守ったるし。
せやから寂しがらんでええで、よんばん。」




――あのバカ珍、また余計なことを…!!

くそ、また頭痛が酷くなってきた…
つっこむやる気も失せる。
体力の無駄だ。



「も…いい、休ませテ…」

「よんばん、ほんまにしんどそうやし。
いつもやったらキーキー怒鳴るのにな。」



ああもう、ムカつく!!
こちとらウイルスと闘うのに精一杯なの!
お前ら非常識おせっかい人間と馴れ合ってる暇はねーの!!

心の中で悪態をつきながら、布団を被る。


すると、遊騎がこっちに向かって来る気配。
…ベッドの横で止まった。




お願いだから何もしないでください。
風邪のオレに安寧と平和をどうか…!!





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