01 「ふふ、似合っていますよ、刻くん。」 「〜〜〜〜〜ッ!!(わなわな)」 ご主人様の言うとおり! 「ゲームに負けた方が1日何でも言うことをきく、でしたよね。刻くん?」 「うっせえ!!ってか、この衣装わざわざとっといてたのかヨ!?」 「ええ、とても可愛らしかったので。」 場所は希望高校屋上。 平家は愛用のティーテーブルに肘をついて、口元を弛めた。 そんな平家に突っかかっているのは、フリフリのメイド…の格好をした刻。 屋外なので時折、強い風が吹き抜ける。 その度に、ひざ上丈のスカートが捲れあがるので、内股気味になりつつスカートを手で押さえるという、いかにも女子らしい格好をとっている刻の瞳は、もう既に潤んでいた。 「だいたい、勝負を仕掛けてきたのは刻くんでしょう?」 「ぐ…」 「今日一日、刻くんは私の召使いですからね。さて、手始めに紅茶でも淹れてもらいましょうか?」 しぶしぶ承諾した刻は、平家の傍らのティーセットに手を伸ばした。 [*前へ][次へ#] |