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ふと思ったんだけれど私からルシウス先輩に話しかけることは極端に少ない。理由は単純に恐れ多いから、なんだけど、ルシウス先輩はそのことどう思ってるのかなぁ。仮にも彼女な訳だから私から話しかけないのは周りから見たら不自然だろうか?

「どうしたのなまえ、難しい顔して」
「う、うーん。いややっぱり私からもさルシウス先輩に話しかけたほうがいいよね、たくさん」

端から見たらどうでもいい悩み事だろうが私にとっては一大事なわけで食欲も後退。まぁ痩せるから丁度いいかな、前買ったけどちょっと小さかったあのワンピースも着れるようになるかもだし…。サラダをもぐもぐしながら色々と悩んでいると、リリーに心配そうな顔をされた。あらやだ、美少女がびっくりするほどの美少女。

「やっぱり私あの人苦手だわ、なまえずっと悩んでるじゃない」
「そんなことないよ!幸せだしっ幸せな悩み方だしっ」
「そうかしら?」
「うん!今日のお昼だってわざわざ医務室まで来ようとしてくれてたみたいだし!」

でもねほんとはひとつすごく嫌なことがある。単純に嫌というのにはあまりに複雑な気持ちだけれど、まだ心に残ってるスリザリンの子たちの言葉。ルシウス先輩はだれとでもデートくらいする、なんてわかってた。それくらい知ってたよ、だって私ずっとルシウス先輩が好きだったから。ずっとずっと見てたから。わかりきってたことなのに、なんでこんなにモヤモヤしなくちゃいけないの。最近欲張りになってるのかな。いけないいけない。ただの偽彼女の分際で生意気すぎるよ、ね




「ルシウス先輩」
「なんだレギュラス」
「僕、なまえ先輩が好きなんです」
「知っているが?」
「あんまり傷付けないでくださいね、打たれ強く見えるだけなので」
「それも知っている」

しんとしたスリザリンの談話室。就寝時間後の談話室を独占できるのはルシウスの特権だった。突然やって来た後輩はいつものことだが今日はまた一段と生意気で、ルシウスは少し辟易した。レギュラスが自分の恋人にあたる存在を昔から好いているということは知っていた。

「本当に好きなんですか」
「見ていればわかるだろう」
「そう思えたならこんなこと言いません」

相手をするのがすこし面倒くさくなってきたところでレギュラスが真剣な瞳をルシウスに向ける。その瞳は間違いなく狡猾なスリザリン。少々心配がなかったわけでもない後輩のその瞳にルシウスは小さく笑う。

「先輩、僕は僕のやり方でいかせてもらいます」

その遠回しにも直接的な戦線布告にルシウスは勝手にしろと彼に同じ瞳を向けて言い放った。それは間違いなく応戦の意思表示であった。





あきゅろす。
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