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「リリー!リリー!」
「なまえ、探したのよ?」
「ごめんごめん!それよりルシウス先輩とデートすることになった!」
「えっ?!」
「どうしよう何着てこう、あっ髪型どうしようかな?どこ行こう、ねぇリリー私デート初めて!」
「そう…」

始めこそ戸惑っていたリリーも、幸せ太りまでしてしまうほどに幸せそうな私を見てか前より話を積極的に聞いてアドバイスしてくれるようになった。リリーとジェームズのデートの話を参考に聞こう!興奮気味の私の背後から、合同授業の相手であるスリザリンの女生徒の声が浴びせ掛けられた。

「ルシウス先輩とデートくらいで舞い上がるなんてばかみたい」
「誰とでもしてるに決まってるじゃない」

クスクスと笑うその女の子たちは見たこともない子たちだった。興味がないものは視界に入りもしないから見覚えがないだけかもしれない。一瞬にして教室の空気が凍り付く。側に座っていたシリウスが冷ややかな視線をスリザリンに送っているのが視界の端に入った。なにかを言おうと椅子を立ちかけたリリーを右手でまぁまぁ、と制す。リリーはでも…と私を見た。なによ、とでも言いたげなスリザリンの女の子たちに私は足を組み直しにっこりと微笑みかける。

「たしかにルシウス先輩はだれとでもデートするかもしれないけど、あなたたちは私の美しさに嫉妬してるわけだよね?仕方ないから許してあげる、どんなに頑張っても私の美しさには勝てないだろうからさ」

私は至って真面目に言ったつもりだったのだが、ふざけないでよ、とまぁ世間的には可愛いのかもしれないが私の美しさには到底及ばない女の子の一人が言い返してきた。ふざけてないよ?と言うとカッとなったその子に杖を向けられ…る代わりにパシンと頬を叩かれた。これは予想外、あーぁ私の唯一の良いところが傷付けられた。

「…気が済んだならもう私に関わらないでね、ルシウス先輩にも」

そう言い残して私は椅子から立って教室を出た。ルシウス先輩の彼女役になった時に多少は予想してたことだったし、普段から嫉まれることはよくある。それもこれも、あぁ、私が美しいせいで…!



「なまえ、大丈夫かしら…」
「あいつ馬鹿だからたぶん今頃『私が美しいせいで…!』とか的外れなこと思ってると思うぜ」
「あはは、なまえってほんとおもしろいよねー。素だもんね」



あきゅろす。
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