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翌朝、あちこちの掲示板に昨日の写真いりの生徒が作った新聞が貼ってあった。どの掲示板にも人だかりが出来ていて、私が歩けばみんなが振り返る。あぁ美しさって罪ね、とシリウスに言うと笑われた。

「意外と元気だな。安心した」
「昨日は大分へこんだけど…よくよく考えたらルシウス先輩と話せただけでも奇跡かなーって思って」

だって本当だったら話しかける勇気すらも私にはなかった人。嫌われちゃったかもしれないけど、無関心よりは存在が知られただけまだマシと思うことにした。終わったことにいつまでも捕われる私じゃないのよ。髪の毛をふわっと風に靡かせると周りからの視線が好奇心から羨望になるのがわかった。ほら、今日も私は美しい!

「ね、シリウス見て!私は今日も美しいの!」
「はいはい、わかってるよ」

「美しいだけでは責任はとれないな」

「…」
「あ?なんだよマルフォイ」

後ろからした声に固まる私、生意気にも先輩相手に呼び捨てでつっかかるシリウス。ルシウス先輩が私を後ろから抱きしめた。どうしよう、状況についていけない。周りの視線は私たちに釘づけだ。耳元でルシウス先輩の声が低く囁く。

「責任をとってもらおうか」
「…ど、どうやってでしょうか、先輩?」
「しばらく彼女のフリをしろ」

それだけ言うとルシウス先輩は私の顎に手を添えて、少し横を向かせた。斜め上にはルシウス先輩のきれいな顔が私の肩の上あたりにあって、だんだん近付いてくる。唇が、近い!

「っ…ごめんなさい!!」

待って私ファーストキス!そう心のなかで叫んでルシウス先輩を突き飛ばして、逃げた。ヤバイ私、スリザリンのひとにフルボッコにされるかも。


(けけ、ざまぁ)
(…なんなんだアイツは)
(ナルシストだけど意外と純情な俺の幼なじみだよ)




あきゅろす。
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