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「ハッピーハロウィーン!」
「ねぇなまえ、私これちょっと恥ずかしいわ…」
「ええーなんで!すごく可愛いよリリー!」

グリフィンドールの後輩に勧められたのはメイド服。日本で流行ってるのだと熱心に説明されたピンクとブラックのそれをリリーとお揃いで着ることになった。あんまりハロウィーン関係ない気もするけど、普通にゾンビとかじゃつまらないじゃない?にしてもフリルとかが多すぎて実際のメイドには向かなそうなデザイン。可愛いからいいんだけどね!リリーは横で恥ずかしそうにしてるけど私はその隣でノリノリ。久しぶりにホグワーツ中の視線独り占めの予感!

「お前スカート短すぎだろ」
「せっかくの美脚を隠すなんて勿体ないでしょ?」

ふふんと後ろからしたシリウスの声に振り返るとヴァンパイアの衣装に身を包んだいつもの4人組がいた。今日のライバルは相も変わらずシリウスかしら、負けないくらい目立たなきゃ。ジェームズはいつの間にかリリーの横にいた。ラブラブで羨ましいな。

「おや。お出ましかな?」
「え?」

ジェームズのそこ言葉に広間の入口に目を向けると黄色い歓声がそこらじゅうの女の子の集団から出ているところだった。人だかりで見えないから少し背伸びをしてみて、思わず悲鳴が出そうになった口を慌てて両手で押さえる。か、かっこ、いい…!

「ルシウス先輩やばい…」
「中世貴族のゴーストか…あいつららしいっちゃらしいな」

ルシウス先輩、レギュラス、スネイプ、ロドルファス先輩…ぱっと見ただけでもいつものルシウス先輩の取り巻き集団だとすぐに分かる。ばらばらの格好ではあるけれど皆ゴーストで統一してるみたい。ゴーストというかもはや普通の中世貴族…似合いすぎです、ルシウス先輩!
遠くからちらちら見ていたらルシウス先輩がこっちを向いて小さく微笑んだ。あぁ、私、ルシウス先輩の彼女なんだなぁ。

「なまえ先輩、すごく似合ってます!」
「素敵です!」
「ありがとねー」

そんなほんわかした気持ちに浸ろうとした瞬間、後輩たちに話しかけられる。一緒に写真撮ってください、って一人が言い出したらどんどん集まってきて、もちろん側で同じ状況になってたリリーとシリウスたちもそれに巻き込まれて最後は集合写真みたいになってしまった。

「ふふ」
「なんだよ」
「いや、良い思い出になるなーって思って」
「その思い出に私も加えて貰っても?」
「ル、ルシウス先輩!」

いつの間にこんな近くまで来ていたのか。ルシウス先輩に手を差し出されて条件反射で手を乗っけると、優しく引っ張られて人だかりを抜けることができた。そんな素敵なエスコートをなんの戸惑いもなくスマートにしてくれるルシウス先輩がやっぱり私は大好きで。

「ルシウス先輩、あの、すごく素敵です!」
「当然だ。なまえもなかなかだな」
「後輩に勧められて…可愛いですよね、これ」
「あぁ。よく似合っている。ところで…」
「?」
「抜け出さないか?もう疲れた」

はぁ、と溜め息をつくルシウス先輩。きっとルシウス先輩も私くらい、いやそれ以上に写真とか頼まれて大変なんだろうな。遠くではレギュラスたちがにこやかに可愛く着飾った女の子たちの相手をしている、いやさせられていると言ったほうが的確に思えてきた。

「喜んでお相手させていただきます」
「では行こうか」

もちろんこっそり出ていくつもり、でルシウス先輩もあったと思うのだが、周りからたかれるフラッシュの多さに少し目が痛くなるくらい。さすがルシウス先輩…と、私!



あきゅろす。
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