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もうすぐハロウィンがやってくる。今年はジェームズたちが校長にお願いして仮装パーティーが開催されることになった…のは楽しみだけど、何着ようかまだ決まってないや。リリーに相談しなくちゃ。今日は久々のホグズミードでルシウス先輩との久々のデートでもあった。ルシウス先輩は何に仮装するのか教えてくれなかったなー。まぁ楽しみが増えるからいいけど。

「なまえ先輩」
「あ、レギュラス」
「お帰りなさい。先輩、ハロウィン何着るかもう決めました?」
「あ、ううん。まだー。レギュラスは決めたの?」
「僕たちは…もうルシウス先輩に聞いてます?」
「ううん、まだだよー」
「…じゃ、僕も秘密にしときます」
「えー」

何それ、気になるじゃん。ぶぅとむくれてみてもレギュラスは教えてくれなくて、ああそんなんじゃ余計に気になるよ!フランケンシュタイン?とかゾンビ?とか思いつくままに聞いてもどれも答えはノーで諦めた。

「まぁもうすぐじゃないですか。今日はデートだったんですか?」
「うん!」

笑顔で大きく頷いたあと、あヤバイと思って固まったけどレギュラスは小さく笑うだけだった。あたし馬鹿すぎるなぁ。かといって謝るのも如何なものだろうか…黙る私にレギュラスの優しい笑顔が向けられる。…余計心が痛むじゃん。

「先輩はやっぱりいつでも可愛いですね」
「え、ほんと?」
「はい。だから余計諦められないんですけど」
「あーうん、そうだね。ごめんね」
「そういう性格も、ちゃんと含めて好きなんですよ」

レギュラスに髪の先を捕まれて、そこにキスを落とされる。え、いやちょっと流石にそれは、恥ずかしい。レギュラスの私を見る目ははっきりと真剣で、なんて言えばいいのかだってわからない。

「…ズルいですか?」
「う、うん。ズルイ」
「何がですか?」
「えっ」
「どうしてズルいんですか?」

聞かれて、なんとなく同意できたから頷いたけれど何がズルいかなんてわからない。私を見る、その目とか、セリフも、行動も。全部がズルいと感じたんだもん。何故かなんてわからないけど。レギュラスにじりじりと距離を詰められてあらぬ噂が立ってもおかしくないくらいの距離で壁際に追い詰められていく。

「いやあのレギュラス、どうしたの?」
「先輩を独り占めするのがルシウス先輩だなんて気に食わないだけですよ」
「えっ」
「おい、レギュラス。お前な〜にやってんだよ」
「シリウス!」

後ろからした声にレギュラスが振り向いて、出来た隙間から逃げ出した。シリウス、ナイスタイミング!レギュラスとシリウスは何やらケンカまではいかない言い合いをしてたけど結局レギュラスが折れてそこでバイバイした。シリウスに大丈夫かよ、と割と真剣な顔で聞かれて申し訳なくなる。

「うん。別になんもないよ、大丈夫!ありがと」
「そんな露出高いカッコしてっからそうなんだよ」
「え、だってルシウス先輩に好きになってもらいたいじゃん!」
「ハイハイ、まぁいいけどな、どうせ助けんのは俺だし」

溜め息を吐きながら上着を脱いで私の背中にかけてくれるシリウス。あのね、シリウス、私シリウスのこと大好きだよ!笑顔でそう伝えても頬のひとつも赤らめやしない、ほんとにシリウスって私の美しさをきちんと理解してるのか時々不安になるんですけど?




あきゅろす。
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