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レギュラスにはほんとうはあの場で返事をしてしまいたかったのに、ルシウス先輩がレギュラスをつれて消えてしまって告白も出来ずになんだかグダグダになってしまった。昨日の決心ややる気はどこへやら、今日はもうルシウス先輩に告白しようなんてなぜか思えない。今日はあまり人と話す気分にもなれなくて、みんなの誘いを断って一人で校庭の湖のそばに座っている。

「なまえ先輩」
「あ…レギュラス…」

ちょうど良かった。捜す手間が省けて良かった。言い慣れたお断りの言葉でもなんだかレギュラスには言いづらい。それはきっとレギュラスが私の内面をきちんと見てくれていたことを私自身が理解しているから。

「昨日、ルシウス先輩から聞きました、色々」
「それは…偽のこと?」
「はい。二人が付き合うなんて前は想像もできなかったから不思議に思ってたので納得しました」
「そっか。やっぱ不自然だよねー」
「なまえ先輩はそれで辛くないんですか?」

レギュラスのその言葉は何より深く今の私に突き刺さる。だれに言われるよりも強く心に訴えかけてくるのはなんでなんだろう。

「辛いし悲しいよ」
「僕じゃダメなんですか?」
「…うん。ダメだよ」

言いづらいとは思っていても、あまりにもハッキリとその言葉は口から出てきた。もしレギュラスと付き合ったら楽しいかもなって昨日少し考えてみた。でも叶わなくてもいいからルシウス先輩を見ていたいって、あのルシウス先輩に初めて会った日に私は思ったんだ。

「レギュラスを弟みたいに思ってたのはホント。でも、もしそうじゃなくしたってやっぱり私はルシウス先輩が好きだと思う。ごめんね」
「…ルシウス先輩との恋がこれからも叶わなくてもですか」
「今はね、私がルシウス先輩を好きでいたいの。それじゃダメかな」
「いいと思いますよ。…だから僕も、またなまえ先輩のこと好きでいます。いいですよね」
「…ありがと」

改めてレギュラスの顔を見てこうしてきちんと向き合えば、もうレギュラスは知らないひとりの男の子みたいだった。もう可愛いなんて言ったら失礼だな、レギュラスがこれから素敵な恋ができますようになんて私のエゴかもしれないけど、心からそう思う。私もがんばらなくちゃね。





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