[携帯モード] [URL送信]


「あのっ僕と付き合ってくれませんか!」
「あー、ごめん!好きな人いんだよねっ」
「えええぇ」

ぱん!と潔く顔の前で手を併せ勢いよく頭を下げた女子生徒。なまえ・みょうじ。ホグワーツでも有数のいわゆる美少女、の類にはいる少女である。その光景を上から盗み見している俺はその美少女の幼なじみであったりする。ふとなまえが上を向き、俺とばっちり目があった。べーと舌をだすなまえに笑顔を返す。勿体ねぇ女。


「盗み見なんて趣味わるいなー」
「たまたまだよ、たまたま」

なまえはぷんぷんしながら魔法史の教室にリリーと入ってきた。リリーと並んでいてもまったく見劣りしないその長くて巻かれたブロンド・ヘアー。物がのりそうなくらいばさばさな睫毛。チークがのせられてほんのりピンク味がかかった頬。だいたい全部がこいつは完璧なバランスだ。なんというか、自分の魅せ方をよく知っている。まぁ元が良いのも認めるが。性格に少々難アリだし、幼なじみだから恋愛対象にはもちろん入るわけねぇ。

「あっさっきねーレギュラスに会ったよ。久しぶりだったー」

爪やすりで爪を手入れしながら俺のほうも見ずになまえはそう言った。あぁ、レギュラス。幼なじみでもレギュラスは例外だ。なまえの本性を知りながらもどうやらこいつに惚れているらしい。まったく何が良いんだか。そんな俺の視線に気付いたのかなまえはなによ、と言ってきた。

「レギュラスって趣味悪いよな」
「仕方ないよ、ほら、私って美しいから…!」
「はいはい」

はーじまった。そう、なまえは自分が大好きだ。可愛いと言われるのは当たり前だし、授業より自分の髪型のほうが大事なのはこいつにとって当然のこと。たまにこのノリについていけなくなる。正直めんどくせぇ。しかし評価できるのはまぁ、ナルシストな部分を除けば悪い奴じゃないってところか。

「美しいって罪よね…今日もまた、一人の少年を絶望させてしまったわけだし」
「で、お前まだ好きな奴変わってないのかよ」
「当たり前じゃない」
「えっなまえって好きな人いたの?」

なまえの隣にいたリリーが驚いた顔でこちらを振り返った。こいつは意外と恋愛に関しては奥手で、自分の恋愛の話を自分からすることはまずないし積極的にアプローチをかけることもない。なまえがリリーにそっと耳打ちすると、リリーはえっと思わず大声をあげた。

「じょ、冗談よね?」
「ちちち、リリー、私は嘘をつかないのです」
「本当に?あの?」
「そう!私が好きなのはあの…


ルシウス先輩なの!!!」



あきゅろす。
無料HPエムペ!