TOV短編
RaY♀
現パロ。
――――――――
「………」
何だこれは、何処だここは。
オレに見えてるもの、これは現実か?
「あ、お帰り青年ー」
「喋んな。幻覚だと思わせろ」
「青年クスリとかやってたっけ?」
「……はぁー…」
姿が見えて会話出来てしまった、どうやら現実に存在するらしいそれ。
一度強く目を瞑って、再び開いた時にはどうにかなっていてはくれないかと淡い期待を抱いたりもしたが無駄だった。
現実とはかくも残酷なものか。
「何してんだあんた」
「パンツ被ってます」
事実確認はあくまで事実確認にしかならず、あっさりと聞きたく無い言葉が返されるだけ。
そんなもんは見て解る。
家に帰って来たら部屋中に下着が散らばってて、そのうちの1つを恋人が被ってるなんてのは。
その行為自体もかなりきついが、問題はそんな些細な事じゃ無くて。
「何で被ってんだよ!しかも顔に!」
頭に被られるなら未だマシだった。
でも違った、こいつがそんな甘いレベルで満足する筈が無かった。
オレの下着を顔に、つまりその、…肝心な箇所に触れてる部分を鼻や口に当たる様に、被ってる。
見るからに変態、恋人以外の下着でやれば即ブタ箱行きの行為だ(ぶっちゃけ恋人だろうと嫌なものは嫌だけど)。
「んとね、今日はパンツの日なの」
「は!?」
「8月2日はパンツの日なのよ。1年に一度の特別な日だから、青年のパンツ被りたいなぁと思って」
「訳解んねぇ事ドヤ顔で言ってんじゃねぇぇぇ!!!」
下着の生地の隙間から見える目が真剣だ。
どうやら本気らしいがその本気、オレにはとても理解出来そうにない。
「えー何で怒ってんの?あ、青年もおっさんのパンツ被りたいんだ?」
「今直ぐその口閉じないとパンツ捩じ込んで窒息させっぞ」
「ユーリのパンツをユーリ手ずからもぐもぐさせてくれるなんて、何それ最高」
「オレのじゃねぇあんたのだぁぁあ!!!」
駄目だこいつ話通じねぇ。
いつもは比較的常識人なのにスイッチ入るとどうしようもねぇ。
くそ、さっきから柄にも無く叫んでる所為で喉が痛くなって来た。
「…兎に角、早く取れよそれ」
「嫌よ、未だやりたい事やって無いもん」
「やりたい事?」
「うん。こうして被ってるとね、洗濯してある筈なのにユーリのにおいがするの」
「!」
「ユーリのえっちなお汁のにおい。おっさんにパンツ越しにすりすりされたりぺろぺろされたり、そういうの染み込んでるのかな。すっごい、興奮する」
「…おい、さっさと」
「おっさんね、ユーリの目の前でユーリのパンツ被って、パンツの内側舐めたり嗅いだりしたかったの」
…オレの目の前でってのがポイントなんだろう。
1人で勝手に被ってりゃ良いものを、わざわざオレの帰宅を待っていたのはそういう事か。
下着の下で、おっさんの唇がもごもご動く。
薄い生地の向こう側、は、いつもオレの…あそこ、に触れてる場所で。
其処に今、おっさんの。
「……っ」
「あー…凄い、何かえろい。ユーリのにおいと、ユーリの味する」
唇以外に何か蠢くものが生地に浮き上がる。
多分、っていうか確実に舌だ。
舐めてやがるこいつ。
オレの下着顔に被って、嗅いで、舐めて。
…何処まで。
「何処まで変態なんだよ、あんた」
「ふーんだ、変態上等。大体ユーリだって、自分のパンツぺろぺろされて興奮しちゃってる癖に」
「……」
「今舐められてるパンツみたいに、いっぱい舐めて欲しいんでしょ?おいで」
不本意だ。
心底不本意だが、否定が出来ない辺り、つくづくオレも終ってる。
「ん、ぁ…、脱がせろ、よ」
「今日はパンツの日だから。先ずはパンツ越しに1発イっとこうね」
「…っんなの、無理…っァ、あ!」
「大丈夫。ユーリえっちだからイけちゃうって。イかせてあげちゃう」
薄い布越しに感じるあんたに、いつもと違う興奮を覚えてるのは確か。
こんな感覚を共有したいなんて思わないけど、たまには悪く無い、とか。
熱に浮かされた頭は何処までも狂うらしいと、思い知らされた。
…でも顔のパンツは脱げよマジで
(高揚しててもそれ見ると一気に冷めるんだよな)
(えー良いじゃない、変態に犯されてる感で余計興奮しない?)
(しない)
(…即答ー)
――――――――
女体化の理由としましてはパンツの形とか。
ビキニパンツの♂ユーリが想像出来ないんだ…orz
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