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きっと今頃泣きそうになっているのだろうな、と思いながらガイは寒空の下きらびやかに色付く街並みを眼に入れて瞼を下ろした。


色とりどりに飾られたイルミネーションは夜の街を寄り添って歩く恋人たちの気持ちを高揚させる。
ガイとてそれに漏れるこもなく、点灯された木に寄りかかりながら笑みを零した。

この場にルークやアニスたちがいようものなら性悪やら最低、変態などガイにとっては大変不本意なことを罵ってきたことだろう。


ガイはただ今日、恋人であるナタリアと待ち合わせをしており、彼女を待っているだけである。
そうルークたちに返したら聞こえは良いだろうが、実際は無理やり取り彼女に付けた約束であった。
公務で忙しいから無理だと戸惑う彼女にただ、待っているからと場所と待ち合わせ時間を手紙にて告げた。

今現在向かえないもどかしさと、仕事を終わらせなければならない焦りと、ガイに対する苛立ちと。
仕事を熟しながらぐるぐる巡る思考に可哀想なことになっている彼女を思うと嬉しさで頬が弛むのは仕方のないことだろう。
それを何とか引き締めて冷たくなってきた手をポケットに入れて暖めた。

彼女の涙一つをとっても愛しい。

時間が過ぎるほど、遅くなれば遅くなっただけ罪悪感で涙を滲ませる彼女が見れて、会えた喜びに歓喜できるのだから、愛の強要もガイにとっては申し訳なさ以上に甘美なものであった。


待っていると言った手前、何処かの店に入ることなくガイが外で待っていることを彼女は疑わないだろう。
それも愛だよなと笑えてくる。
たまらなく嬉しい。

白く吐きでた息に、そろそろ雪でも降るかもしれないと身を窄めた。



馬鹿、と泣いて寒さで少し冷たくなったガイにナタリアが抱きついていくのもあと少し。






end

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何となくXmasの時期だなと、思って書いたものです。
ガイの独白は、書きやすい。




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