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帰れよ。ルークのその言葉にナタリアは唇を引き結んで黙り込むしかなかった。久しぶりにルークと会えることをナタリアは嬉しく思っていた。このところはマルクトとの外交も進まず緊張状態が続いたため城から出られることも少なく、彼に会いたいという理由のみで大臣に許しを願うことも出来るような状況ではなかった。しかし外務の高官が張り詰めたそれを緩和してくれたためやっと会いたいと言えるようになったのだ。それなのにと頭の隅で思ってしまう。ナタリアは息を吐き出して一歩後退った。今日のルークはきっと機嫌が悪かったのだ。ナタリアだって苛ついている時に父や例えルークが来たからといって直ぐに切り替えることは難しい。ルークは特にその態度が露骨に表れ、ナタリアはそれを好ましく思っていた。己にそれが向けられたからといって的もに相手にしてしまったら嫌がられるかもしれない。マルクトとの現状もそう簡単には崩されはしないだろう。また改めて伺いますわ、とナタリアが笑みを見せると真っ直ぐこちらを見詰めてきたルークが目を細めて口角を上げ笑った。帰るのか。


end
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なっちゃん来なさ過ぎて意地悪したくなったるーくん。世間に疎いから何で来れないか分からなくてたまにイラッとしてたりしたら良いのにな。


あきゅろす。
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