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「おい今聞いたかジェイド」
「残念なことに聞きました。僭越ながら私も陛下と同じ意見であることを申し上げておきます」
ピオニーとジェイドが交わす言葉を耳に入れながらナタリアは悲しくなってジェイドの背中に隠れた。
「ナタリア姫、縋るならこちらにしたまえ」
「嫌ですね。陛下は下心しかないのが見え見えです」
「下心は時に女性を喜ばせるのだがな」
「まあ、それは言えてます」
顔を見合わせた二人が大袈裟にため息をついた前で、気まずそうな顔をしてフリングスは何かおかしなことを言っただろうかと頬をかいた。
それともただ今日も何かかわれているのかと身構えてしまう。
「騎士道の精神は持ち合わせていても紳士道は手余りとみた」
「……陛下、申し訳ないのですがもう少し私に分かるように言っていただけたらと存じます」
フリングスが畏まるとピオニーは呆れて物も言えんぞ、と首を振った。
「私から申し上げましょう。ドレスアップした女性がその姿をどう思うか尋ねた際にどこもおかしい所はないですよ、と宣う愚か者がいると言うことに、こと帝王学を積んでいる陛下も驚かれているということです」
「あのなアスラン。女性はそんなことを言われたくてわざわざ言いに来る訳ではないんだぞ」
「可愛いとか美しいだとか綺麗だとかの形容詞は将軍の辞書にはないようですね」
ピオニーとジェイドが口々に言うのにフリングスは戸惑いながら後退る。
「思ってもそんな無理ですよ。見惚れていることを相手に伝えるようなものではありませんか」
「ほう、あったか下心」
「あったようですね下心」
するとジェイドの後ろに隠れていたナタリアが顔を出して口を滑らせて落ち込むフリングスの方を見た。
目が会ったフリングスは罰が悪そうに下に視線を逸らして顔を隠してしまう。
「綺麗だと、思ってくださりましたか」
「はい。もちろんです」
ナタリアはたったそれだけの言葉に顔をほころばせると嬉しそうにジェイドを見上げた。
「良かったですねナタリア」
「あれだけ言えば喜ばれるとはお得な奴だな」
end
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こいつら(勝手に)よくしゃべる。
あとピオニーいるとフリナタが近寄れない(笑)
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