リクエスト作品
興味を持ったら即行動
「何をしているんだい」
そう言葉を投げ掛けてナタリアを抱き抱えるが、しかしそこから逃げ出そうとナタリアがもがいたため逆にもっと腕に力を込めた。
「ガイ、離しなさい」
「いやだよ」
ガイが不信がるようにナタリアをみると、それにナタリアも「むっ」とした表情で返してきた。
ガイも同じように返す。
今日は大学の講義が四限までであったので夕方には家にいると言ったらナタリアが遊びに来ると言った。
大学受験のために勉強を教わりにきたかったのだろう。まあルークはどうするのか聞いたら部活あるからいいやと断られたのだが。
じゃあと昨日ナタリアに鍵を渡して、今日帰ってきたはいいが、部屋に入るとナタリアが床に座り込んでベッドの下を覗いているではないか。
慌てて抱き上げたのだった。
「何をしているのさ」
「ベッドの下を見ていたのです」
「何のために」
「男のバイブルを見つけるためです」
「……はあ」
ナタリアのあまりの発言にガイは素っ頓狂な声をあげた。
「ルークが『男の部屋のベッドの下には男の心の聖書が眠っているんだ』って言っておりましたもの」
見てみたいですと言うナタリアにガイは俺の部屋にはないよ、と言った。
人が来るのにそんなベタなところに置いとくわけないじゃないかとガイは冷汗が出そうになった。
「残念ですわ。実はルークも一緒に探しましょうと言ったのですが『いや、ナタリア一人で見るべきだ』と楽しそうに笑って帰っていきましたわ」
成る程そういうことかとガイは小さく笑った。
今日部活がないことをルークは先週ガイに言っていた。
そのため部活があるから来れないと言ったルークにおかしいと思っていたのだ。
ナタリアにそれを見せて彼女を怒らせたかったのか。
それとも俺の評価を下げたかったのか。
ナタリアの身体を放すとガイは、でもルークの部屋にはあるよと笑みを向けた。
「ルークの部屋に戸棚があるだろ。その上から三段目の棚の右から四番目の細長い箱中にルークの聖書があるよ」
「ルークの、ということは一人ひとり聖書の中身が違いますのね」
うん場所も今はかわってきているよ、と笑顔を向けたガイは、じゃあ勉強始めようかとナタリアの頭を撫でた。
「あっどうせだからティアと見に来いきなよ」
「ええ、そうしますわ」
End
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バイブルといってはアレですが普通にエロ本ですね。
ガイはルークに対して「あのヤロー、ティアに嫌われてしまえ」ぐらい思ってますよ。たぶん。
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