記憶
それは夕日がやけに赤くて、空が畏ろしい程に真っ赤に染まった日のことだった。
僕はひとりで公園にいた。
今まで憧れてきたおじいちゃんが、みんなが、悪いことばっかりしてるって事を知って凄くショックだったんだ。
ブランコに座って、情けなくぼろぼろ涙を流していた僕に、その子は静かにハンカチを差し出してくれた。
一一一大丈夫?
俯けていた顔を上げてみると、その子の顔は逆光で見えなかったけど、なんとなく、優しく微笑んでいるのが分かって、僕は少し引っ込んでいた涙をまた流した。
その間、ずっと頭を撫でてくれていた手がとても暖かくて、僕は気が済むまで泣いた。
一一一それ、あげるね。きっと君は強いから、もう大丈夫だよね。
頭の上から手が離れていって、ぱっと顔を上げたとき、その子はもういなくなっていた。
それから僕は、涙でぐしょぐしょになったハンカチを握り締めて家まで帰ったんだ。
ガゴゼを倒してすぐぐらいの話。
名前変換なくてすみません。
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