仁王雅治2
…チーン
「仁王くん、ケーキ焼けたみたいですよ」
「おし」
「どうですか?」
「げ、焦げとる」
「うわあ真っ黒」
「もう嫌じゃケーキ作りなんて男がやるもんじゃなか、柳生がやりんしゃい」
「私も男ですが」
「んなら手伝え」
「俺に任せろ手出すなって言ったのは仁王君じゃないですか」
「だって、どうも上手くいかん」
「もう一度頑張ってみましょう、次こそはきっと上手く出来るハズです」
「そう言ってもう三回も失敗しとるぜよ」
「…………よ、四度目の正直…です」
「フォロー下手すぎんじゃお前」
「ほらほらもう一度頑張ってみましょう」
「もー無理、嫌じゃ嫌じゃー」
「それではあの方の笑顔を見れなくなりますが、宜しいのですね?」
「え?」
「彼女のお誕生日にケーキをプレゼントするって話だったのに…」
「う、」
「きっと貰えないと分かれば悲しがりますよ、あーあ可哀想に」
「……」
「それじゃあ片付けましょうか」
「……もっかいやる」
「え?なんです聞こえませんでした」
「…もっかいやるっつっとんじゃ!絶対に手出すんじゃなかよ」
(仁王君が彼女さんのために一生懸命ケーキを作るっていう、そんなお話。)
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