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刀剣乱舞
赤子の反射(審、山姥切、長谷部)
「ほーら、国広君。赤ちゃん」
乳飲み子らしき赤子を抱えた審神者に瞬く
「いつ産んだんだ?あんた……ッ」
ゴツ
「脛を…蹴るな」
「両手は赤ちゃんで塞がってるんだから蹴るしか無いでしょう」
不満そうな審神者が返す中、赤ん坊は分かってるのかいないのか、きょときょとしている
「で、…どうしたんだ?」
「友達が病院予約したのに、預ける親も調子悪くしたって言うから」
二時間位なら、って預かりました。
「何で本丸に連れて来たんだ?」
「うっかり何かあったら困るから一緒に見て貰おうと」
にこやかな審神者に肩が落ちる
「あんたな…」
「ほら、可愛いでしょ。家の国広君だよー」
赤子に良く見える様に身体を傾ける
自分が赤子の視界に入ると思った瞬間
思わず身を引いた
「…何で逃げるのよ」
不機嫌に問われ顎を引く
「う、写しを視界に…だっ!」
ゴツ
また、蹴られた
「…あんたな…」
「煩いです。国広君は家の一軍総隊長で近侍で頼りになるんですー
写しとか、どうでも良いです」
ぷん、と拗ねた風に言われてしまい審神者を見つめる。
「…その、すまない」
謝れば、直ぐに笑顔になる。
これは俺にとって有り難い事だ
「はい、じゃあ、ご挨拶。大丈夫、まだあんまり人の見分けつかないんだって」
お母さんは分かるみたいだけど。
と聞いて安堵する
「…山姥切国広だ」
短刀より小さい者の扱いは初めてだ、脅かさぬ様に。そろり声をかける
小さな頭小さな体小さな手、きょろりとこちらを見つめる目に身を引きたくなる衝動を堪える。
「失礼致します、主。
お茶をお持ちしました」
この部屋だけ洋風の作りになっている為
馴染まぬ男士の為に、基本開けてある扉
わざわざノックして長谷部が茶を持って来て俺達を見た
「主…いつの間に、ご懐妊ッだっ」
ゴツッ
「君等、実は私に蹴られたいんでしょう?」
ぷるぷる二振りで頭を左右に振る
「も、申し訳ありません」
同じ説明を受け、長谷部が恭しく頭を下げた
「主のお友達の…初めまして、へし切長谷部と申します。長谷部と、お呼び下さい」
呼べないだろう、まだ。
多分、あいつも同じ事を思ったのだろうが口には出さず
代わりに赤子を自分達に向けて来た
「はい、じゃあ握手しようか。宜しくって」
あー、とか、うーっ?と、こちらを見つめてる赤子に長谷部が躊躇いなく片手を差し出した。
きゅ、と小さすぎる手が長谷部の中指を掴んだ。
「「?!」」
ぶわっ、と桜が舞い俺とあいつが瞬く
「は、長谷部?」
長谷部君、大丈夫?
桜が舞ってる、問題が無いのに聞く気持ちは分かる
「っ、!し、失礼しました」
大量に舞う桜に気づいたのか、慌てた顔で。
だが、そろり慎重な手つきで小さな指を離させた。
視線で促され、躊躇いがちに手を延ばす。
きゅ。
よく考えなくても、あいつ以外の人間に触れるのは初めてだった。
審神者も自分より小さく不安になるが
更に小さな赤子、これは本当に手だろうかと思う
紅葉の様な、と表現を聞いた事がある気がするが
あれより小さく、熱く折れてしまわないかと思う
ぶわっ
同じ様に桜が大量に舞った。
「…君等…」
どこか呆れ顔のあいつの隣で、長谷部がうんうん頷く。
「…す、すまない…」
「いいんだけどね、二人が気に入ったかなー」
あいつの腕の中で、あやされている赤子
指を掴んだまま、何だか楽しそうに見えて
長谷部と二振り、また桜を舞わせた。
赤子を返した後に、産む予定は無いのか聞いて
長谷部も俺も脛を蹴られたのは、別の話。



END201703末


おまけ

……
「おい、指を離してくれないんだが…」
ぎゅっ、と小さな手に握られているのを離させ様と軽く揺らすも
一向に離れる気配がない
「気に入られたんじゃないか?」
「そんな事……待て、待て待て…ぁあぁあああ」
「気に入ったら、何でも口にするんだって」
「…早く言ってくれ…」
赤子の口の中と言う未知なる部分で指を動かす事も出来す
ふやふやに、指がふやけるまでしゃぶらせていた山姥切の桜が舞い続けてたのは中々見ものだった。
後に長谷部が語った。


ネタは相互様より提供して頂きました(^_^)有難うございました

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