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刀剣乱舞
初鍛刀と呼び方(その2)
山姥切を出陣させ
重傷帰還して来たのを、こんのすけブンブン揺らしながら
抗議したのが先程の話
涙目のまま、促されるままに鍛刀と言われ
鍛刀部屋には、ちんまい何か
「おー妖精さんがいる」
「妖精?」
「うん、あんな感じに小さくて
まぁ良く転ぶも悪く転ぶも自分次第な」
訝しむ山姥切に返しながら、資料を見る
「えーと、資材の数を決めて渡せば良いんだね」
「俺がやろう」
「良いの?有り難う。よく分からないから最初の数にしようかな」
「分かった」
木箱に入った資材
渡されれば、日本風仕様な妖精さんは小さい体に見合わないまま
ヒョイと炉心に資材を投入した
ヒラヒラと
花びらが舞う
「よお大将。俺っち薬研藤四郎だ。
兄弟ともども、よろしく頼むぜ」
不意に現れた男士。
ちらり
山姥切は審神者を見た
どんな反応をしてるのかと気になった
やはり写しには、任せるんじゃなかったかと思ったりしてないか

見た限りでは、驚いてる風にも見えた
が、直ぐに笑顔になる。
「薬研、藤四郎君なんだね。宜しく。
本丸の審神者です。」
はい。
と自分の時と同じ風に片手を差し出した。
そして同じ様に不思議そうな薬研に、手を更に延ばし握手をした
「兄弟が居るんだね
じゃあ藤四郎君は、四番目に作られたの?」
「ん?
違うぞ大将
俺っちを藤四郎が作ったんだ」
………
「ご、ごめん
待って待って」
審神者がしゃがみ込んだ
同じ様に、俺達もしゃがむ。
指先で、審神者は文字を書き出した
「名字が薬研じゃないんだね?」
「「名字?」」

「あー、ええと例えば私の名がな…」
「審神者様!」
突然の鋭い声に審神者が驚いて、こんのすけを見た
「真名は男士に教えません様に!」
「…まな?う、えーと」
首傾げた審神者は、考える顔をしながら文字を床に書き出した
「ここに、山田花子ちゃんがおるとするじゃろ」
「…何だ、あんたその口調…」
「いいから
山田花子ちゃんが田中太郎君と結婚すると
田中花子ちゃんに、なるのね」
分かる?と聞かれ二振りで頷いた
「大体男性側の名字に入る。下の名前は基本変わらないの」
ここに、男の子が例えば生まれれば田中…まぁ一郎で。
「薬研藤四郎、って聞いたから。
下が名前なのかと…」
「ああ、成る程な。
大将、その形だと名字が藤四郎だ」
「あ、じゃあ薬研君なんだね」
「そうだな
そうか、数が四で四番目って話だったんだな」
「そう……うん?」
「どうかしたか?」
頷いた審神者が再び首傾げた。
そのまま横に倒れんばかりに、ぐらーっと傾ぎ
慌てて手を延ばし肩を押さえる
「おい、倒れるぞ」
「…んー…国広君」
「何だ」
「今の流れだと、ひょっとして君も…」
「そうだな俺は国広に作られた…」
がく。
と両手を審神者が床につく。
「大将?」
「ど、どうしたんだ、あんた…」
「ま、まさかの山姥切が名前だとは…」
「「は?」」
「国広君!!!」
かつてない勢いに顎を引いた
「な、何だ」
「私の中では、親愛と友情と家族愛で君は既に国広君でガチ固定なんだけど!!」
「う、う?ん…」
「このまま国広君て呼んでいい?!」
両手を握った審神者が切羽詰まった顔を見せ
「す、好きに呼べ」
何で、こんなに拘るのか全く分からないまま頷いた
「やったー!有り難う国広君!」
「っ!だ、しがみつくな!」
ガバッと威勢良く首に腕が回る
じゃがんでいたのを尻餅ついた
「はは、よく分からんが良かったな大将」
隣で薬研が楽し気に笑う
「うん!薬研君もおいで!」
「ん?俺っちもか」
自分にしがみついたままの審神者が
片腕を薬研に延ばした
そのまま腕を引いて俺達二振りを一緒に腕に抱える
「ぎゅーっ、よっしゃ。
今日から二人共宜しくね」
満面の笑みだ。
何がこんなに嬉しいのか全く分からない
「…宜しく頼む」
「はは、宜しくな大将に国広の旦那」

「お疲れ様です
審神者様、初日これにて終了致しました。」
こんのすけが、恭しく頭を下げた。
「じゃあ、人型だもん
ご飯食べるよね。
教えるから一緒に作ろう」

ようやく体が離れ、息を吐いた。
よく分からない温かさに困惑する
「大将が教えてくれるのか?」
「君等作れないでしょ」
「まあな、宜しくな」
各々立ち上がり一緒に鍛刀部屋を出る
「そんで、ご飯食べたら本丸一緒に見て回ろう」
「あんたの部屋は確認しておきたい」
「でかい作りなのか?」
審神者、途中参加だから
就任したてだけど
本丸大きいんだよ
直ぐ見えた本丸に薬研が、でかいな。と頷いた
「見てないトコ沢山だからさー三人で探検ね」
「分かった」
「楽しみだな」
「そんで、夜に寝る時は同じ部屋で寝てね」
「「は?」」
また二振り同時に声が出た。
「だって
こんな広い建物で皆と離れて寝るの怖いじゃない」

「…妖でも出るのか?大将」
「…幽鬼の類いとか」
「泣く!審神者ぎゃん泣きするよ!」
勘弁して、と本当に泣きそうな顔をしている
「何だ、大将は怖がりなのか?」
薬研の言葉に審神者は頷いた
「お化けも痛いのもビックリも苦手だよ…」
とりあえず人が増えるまでで良いから
お願いします。
トイレついて来てとは言わないから
「童か、あんた…」
「怖いのと痛いのとビックリに関しては子供並みで結構」
両手を合わせ拝まれた
「俺っちは別に構わないぞ」
ちらり
薬研と審神者が自分を見る。
「写しの俺なんかと一緒に…「寝てくれるんだね、ありがとおぉー」…」
遮られた。
大きい人が居るって聞いたから
大人四人位並んで寝れるキルトマットあるからね
それ使おう
「楽しみだな、国広の旦那」
浮かれてる審神者を見ながら、薬研が笑いかけて来た。
「…良く、分からないが」
躊躇いがちに言えば
薬研が自分の口許を指差して見せた
「でも旦那、笑ってるぜ」
初日は、こうして終了した。



END
201605半ば

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