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「おはよう」
「……………」
「今日も綺麗だな。毎日見てもその綺麗さは失われない、俺は嬉しいよ。今日はシャンプーの匂いが違うんだな。その匂いもいいね。前はごめんね。あんな糞野郎に不意打ちされて君を守れなかったよ。せっかくの再開を邪魔されてさぁ。俺達の愛を邪魔されたから何回か殺しに行ったんだよ。奴もいい加減思い知らせなきゃいけないよね。そう言えば貴女の父親もこ「五月蝿い黙りなさい」
それ以上は聞きたくなかった。これ以上は口にして欲しくなかった。
胸にドロリとした熱が溜まり、喉奥で異物がゴロゴロ転がっている感覚がして、とても息苦しい。
「そんなにあの父親が大事なんだ。でもさぁ君が毎日毎日体を汚くされるのは我慢ならないんだ、変わらずに綺麗だけどな。君が体を引きずりながら苦しんで学校に行ってるのが我慢ならないんだ。そんなに苦しいなら、そんなに」
気が付いた時には遅かった。背筋が凍る様な手で首筋を撫でられ、あれを撫でられた。
「自傷するくらいなら殺した方がいいよね」
「触るな!!」
力一杯はねのけた手は、いとも簡単に離れていった。
冷たく細めた目が恐ろしく、ガリッと爪で抉られた傷口が熱くなった。
「お前に関係無い」
自分でも驚く程に冷たい声が出た。
だけどそれでも目の前にいる人はにっこりと笑っていた。
冷たい水に背筋を撫でられ凍りつく感覚がした。
「それ程追い詰められていたなんて、気付かなくてごめんね。でも大丈夫だよ。もう汚い事を我慢しなくていいから」
にっこりと笑ったまま、………笑ったまま、布地を口に当てられた。
「やっと君をやっと迎えられるよ。」
ドロリと睡魔に襲われ、更に何もかもが堕落していく感覚。
…平気
もうナレタ
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