ナレタ程度です。 ぐちゃぐちゃになったベッドに横たわった私の体は疲弊していた。 べたべたと張り付くものに不快感がして、胸の内が熱く黒く、ぐるぐると廻っていた。 「早苗」 煙草で嗄れた声が母を呼ぶ。 「…は…い」 私は返事をした。 「疲れているだろう、もう少し休んでいなさい」 そう言い私の口に口が触れた。 苦い煙草の匂いが鼻につく。 「じゃあ行ってくるよ早苗」 「…はい、…行ってらっしゃい」 静かにドアが閉まり、階段を降りる音がして、父は家を出て行った。 「……」 私は疲弊した体を無理矢理起こし、風呂に向かい、体を何度も洗い流した。そのたび太股を伝うモノに絶叫したくなった。 風呂にあがった後は避妊剤を飲み、時間を確認する。既に2時間目の授業は終わっている時間。 「……」 私は着替えを済ませ、学校に行く準備をしていた。 私はそんな自分を嘲笑した。 「…なんのために」 そうだ、一体なんのために学校なんかに行くのか、全く分からなかった。 行っても疲れてるだけなのに、学校にいっても何もならない事は分かりきっていたのに。 「なんのためよ…」 それでも私の体は勝手に動く、ドアを閉めて足は学校に進んでいた。 一つだけ確かなのは、この家には居たくないという事だけ。 [*前へ][次へ#] [戻る] |