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気さくな風に爽やかに笑いながらコイツは話しかけてきた。
「死んじゃうの?」
意味合いを持つ意味の無い問いかけ、只の言葉。
そんな言葉に唇を動かすのさえ面倒臭い、
無視
それでもコイツは問いかける、にっこり笑った顔をして。
「ねぇ、死んじゃうの?」
馬鹿な奴、笑った所で詰め寄った所で私が喋ると思う?
…答えはイエス
「五月蝿い、黙れ、即死しろ」
意味の無い問いかけには答えないが、私はコイツに罵声を浴びせてやった。
意味の無い問いかけには、どうでもいいが、無感情の笑顔には少し頭にきたから、笑えば良いって思われてるその性格どうにかしたら?と心の中で呟く、コイツのために20文字以上に喋る気力が無いのでね。
「あはっ」
コイツは笑った。
「あはははっ」
苦笑気味で、
「あははははははっ!」
後に大爆笑
「あはっはははははは!」
コイツは手で腹を抱えて転げ回った。
私はお腹を蹴った…違う違う、
踏んで差し上げた。
地球の重力と足の筋肉を最大限に活用して、大腸がある部分を踏んで差し上げた。
「ぐふっ」
笑い終わったみたいだ、代わりに腹を腕で抱えて一時停止しているが。
そんな事はどうでも良い、私はまた寝転がった。
少し火照った屋上の床に疲労した体を横たえる。
大腸に暖められた床は熱くなく冷めていなくて、心地よい。
視界いっぱいに青空、憎いくらいに空は清々しく蒼い、白い雲が不器用に形作り流れる。
実に最高の天気で最悪な気分。
こんな日は
死にたくなる…そんな気分、死にたい…じゃなくて死にたくなる。
つまりそれほど強い願望じゃなく、だだの思いつき程度。
だから、両手を首に巻き付けて…、巻き付けるだけ、そして空を見上げるのみ。
首の違和感を感じつつ、
空の碧さに失望し、
自殺の真似事をする。
自分でも分かる、この行動は…
「…哀れ…だね」
…そのまま苦しんでれば良いものを、コイツはまたあきもせずに笑い顔で私の方へ近づき、あろうことか覗き込んできた。
「ねぇ?死ぬ覚悟を持つ奴と生きる覚悟を持つ奴との違いって何だと思う?」
歪んだ瞳で歪めた笑い顔で息がかかりそうな近さで話しかけられ、私は眉をしかめた。
コイツ…人間観賞者か?
「…方向性」
さしあたりの無い乾燥な答えを出す。
コイツは唸り、困った様にそうなんだけどねと言い、少し失望した瞳を漂わせた。
そしていきなり突然私の両手を重ねてきた。
つまりは二重に首の圧迫感に違和感を感じる事になるわけだが…。
コイツは力を込めてこない。
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